山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

レフレール ピアノインフィニティ 横浜みなとみらいホール 2018年4月20日

レ・フレールの「ピアノインフィニティ」ツアーに行ってきました。

 

ツアー終盤ですのでセットリスト書いてしまいます。

 

Piano Infinity

Piano Infinity

 

 

 


知りたくない方、ご覧にならないでください。

 

 

 

 

新作1曲目の「明日へ」からスタート。シンプルな和音を使った曲で、守也さん圭土さんの作る響きが染みこんできます。

 

「挑戦者」「ザ・ギャンブラー」で、どんどんリズムのテンションが上昇。このグルーヴがいいんです。

欲をいうと、2月のヤマハホールで聴いた音の渦を耳が覚えていて、あのときと比べると音圧が物足りないなと思っていたら、

「DDROCK」のあたりから、二人の音がどんどん共鳴。「海、落日の祈り」のピアニッシモが、突き刺さるように飛んでくる。

進むにつれ、ピアノがどんどん鳴り始めます。なんで⁈  すごいわー。


後半は盛り上がり系の曲になり、手拍子なども交えて楽しみました。ベストスコアにも収録の「パラレルワールド」は息を飲む緻密な迫力。兄・守也さんの「サマーナイト」あたりの湘南系ナンバー大好き。夏の海が目に浮かび、幸せな気持ちになりました。「大風車輪」は、守也さん手をグルグルしてから弾くパフォーマンス、あれは風車なんでしょうか、楽しい(笑)

 最後は、レ・フレールのヒット曲をメドレーにしてくれて、これもすごかった‼︎

テンポがアルバムよりものすごく速くて、大丈夫かなと思った瞬間もありましたが(心配症なんです)二人ともありえないほどの速弾きで爆走。

特に弟・圭土さんのソロがちょっとなかなか見られない次元でした。

アンコールは、彼らの代表曲であるBoogie Back to Yokosuka。素晴らしかった。胸がいっぱいになり、

エネルギーをもらいました。

 

2000人収容のみなとみらいホールでピアノ連弾で単独公演、改めてすごいと思うんです。

ドラムじゃなくて、ピアノでお客さんに手拍子これだけさせちゃうなんて。

これだけのポテンシャルがピアノにあるんだなぁ。

 

レ・フレールのお二人は、ポピュラースタイルをピアノだけで演奏できるように、芸術的に完成させる作業をしているのだと思います。歌だったものを鍵盤に移し替えてバッハのインベンションができたり、ベートーベンが交響曲の原型としてピアノソナタを書いたりしていたように、ドラム、ベース、ギターで演奏する20世紀以降の8ビートを基調にしたスタイルをピアノだけで音楽的に成立させる作業。

 

さらに、レ・フレールのすごいところは、本人たちだけでなく楽譜で他人が曲を弾いても、かなりサマになるという作曲としての完成度の高さです。ジャズポピュラーを採譜したものは、あくまでも私の場合ですが、アーティスト本人が弾くと素敵でも、楽譜を買って弾いてみると自分の音にガッカリして二度と弾く気が起こらない。

 

ところがレ・フレールは違う。楽譜を弾いてみると本家アーティストとは比較にならないにしても、悪くない、もっと弾きたい、弾くのを止めたくない音がする。それは作曲としての完成度によるものではないかと思います。

彼らと同じ時代に生きて、リアルタイムに活動を追いかけられるのが、とても幸せです。

 

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斎藤守也「CHASE 」は弾いていて楽しい‼︎

先月ライブに行ってから楽譜を手に入れた

斎藤守也「モノローグ」、

 

ピアノソロ 斎藤守也(from レ・フレール)『MONOLOGUE』

ピアノソロ 斎藤守也(from レ・フレール)『MONOLOGUE』

 

 

自作自演ピアニストの楽譜でこんなにハマったのは 初めてです。とにかく弾かずにはいられない魅力がある楽曲たちです。

まず弾いてみたのが「CHASE」。これは左手がレレドレというパターンを繰り返し右手がカッコいい和音を弾く「革命のエチュード」みたいな曲。譜読みが楽です。チェルニー40番程度。その中で同じパターンを続けるには脱力ができている必要があります。さまざまなモードが出てきて音の並びが格好いい!熱く疾走しつつ非常にクールな性格を秘めたハードボイルドな曲調がたまりません。

男子くんたちのレパートリーにおススメしたいです。

 

 

6月中旬にステージで演奏しました。

記事と動画こちら。

 

http://mimeyama004.hatenablog.com/entry/2018/06/18/204656

 

 

 

 

連弾でつくるグルーブ

先週ライブに行ってから、レフレールを聴き直しています。
パフォーマンスとしてまず目立つんだけど、
重低音のグルーブがすごくて、88の鍵盤に、
二人ぐらいでちょうどいい気がするくらいです。

ドラムやベース抜きで、ピアノでビートで聴かせたかったら、連弾がいいな。
あんまり練習してなくてもベースライン刻むのなら、できないかな。レフレールの曲は難しいけど、連弾はいっぱいありますからね。

TOKYO JAZZ 2007 Les Freres - YouTube

 

ピアノ連弾 Les Frères レ・フレール The BEST SCORE

ピアノ連弾 Les Frères レ・フレール The BEST SCORE

 

 

 

斉藤守也、斉藤圭土、レフレール 銀座ヤマハホール

久しぶりにレフレールのコンサートに行ってきました。

 

MONOLOGUE

MONOLOGUE

 
ピアノソロ 斎藤守也(from レ・フレール)『MONOLOGUE』

ピアノソロ 斎藤守也(from レ・フレール)『MONOLOGUE』

 
ピアノソロ 斎藤圭土(from レ・フレール)ブギ・ウギ・ピアノ「THE BOOGIE WOOGIE PIANO SCORE」

ピアノソロ 斎藤圭土(from レ・フレール)ブギ・ウギ・ピアノ「THE BOOGIE WOOGIE PIANO SCORE」

 

 

 

Piano Infinity

Piano Infinity

 

 

新しいアルバム「ピアノインフィニティ」と、楽譜が出たので発売記念。

 

圭土さん、守也さんそれぞれのソロがたっぷり。

最後はレフレールという構成。

 

イマジネーション豊かでハッとする音を出す守也さん。

超絶技巧でブギウギを繰り広げ、グルーブする左手にのってやんちゃに暴れる右手くんを制御する圭土さん。

 

そしてふたり一緒に演奏したときの

ピアノの鳴り方が、なんとも言えない素晴らしい響き。

ほどよいサイズのヤマハホールに、

ヤマハのフルコンで、パワーオーバー??

赤ちゃんの泣き声も消えてしまうほどの圧倒的な響きの洪水。

ピアノってこんな風に鳴るんだなぁ、、、

 こんなにピアノだけでも楽しいんだなぁ。

ひっきりなしに汗を拭う守也さんも微笑ましく。

 

早くうちに帰って練習したくなりました。

おそるべし、レフレール。

 

ヤマハ銀座にあるペイントピアノと3回目のセッションをしてまいりました♫ 外国の観光客さんがワーオ‼︎と目をまんまるにされていたのが、印象的でした。 どなたでも弾けますので、近くにお寄りの際はぜひ! #LovePianoYamaha #Ginza | By 1台4手連弾「レ・フレール」

 

 

 

 

 

 

 

ブルースアレイでDimensionライブ

ブルースアレイでDimensionのライブ。

三井ホール、年末と聞いたけど、また変わってる。年明けに休めたのか、演奏がすごく新鮮で冴え渡ってる。

むだのないリラックスと集中があり

充実度がものすごい。

 

「30」の曲が中心。

 

30 (Blu-specCD2)

30 (Blu-specCD2)

 

 

mysticEyes あやしい雰囲気いい。プログレ的な決まりごとがスパッときまっていて見事。

Delusionはイントロ、ドラムソロからギターソロにドラムの刻みを入れてアルバムのイントロに。面白い。サックスとキーボードのかけあいがスリリング。

 Dance the dance  淡々としてるが流れが素晴らしくひきこまれる。

An empty dream 小野塚さんのピアノメロがいい。そこにサックスが絡む様子がよくわかって納得。

 

 

ベスト盤からは

 

Brighter in your life. くつろいだ伸びやかな感じが最高

beat#5 増崎さんのギターソロの最後にバスドラム連打がハマりすぎ。

Nudistic 最近2回はこの曲やってなかったと思うけれど、やっぱりこれがないと物足りない。グルーヴがあったかい。

Rise ストリングスの刻みをギターが弾いていたような? 空間を残したアレンジだったような?すごくグルーヴが良かった。

 アンコール 久しぶりにTones。ギターのカッティングがなんだか染みる。

 

改めて、30の曲はかなり構築されていて、演奏が大変なんだろうな。

レコーディングでは作った段階。

今は、ツアー最初の頃より、曲全体、各楽器の流れをより把握してる、洗練、切れ味、

深みのある演奏になっていました。

 

12月9、

 

29日、1月27日と、この期間でこうやって変貌するのを聴くのは本当に面白い。

 

終演後、則竹さんと久しぶりに少しお話しできましたが、

「年末ともまた全然違いました」と伝えたら

「うん、違うでしょう」とにっこり。

 

調子のいい悪いではなく

違う段階にきたというような違い。

私は東京だけしか聞いてないけど、地方も含めて

ツアー毎回で変わっていくのだろうな。

 

ライブ2回目に聴いて「あれ?前と変わってない。もういいや」と思ってしまうアーティストもいないわけじゃない。

 

同じだと飽きてしまう、

先に進まないと自分がつまらない。

かといってクオリティが下がるのはあり得ない。

年々ハードルは高くなるけれど

しんどいけど、そこは譲れない。

 

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昨年はディメンションのお仕事たくさんいただきました。

 

夢中で聴いて必死に書いたけど、まだまだ彼らの音楽の全貌は把握しきれてない。

 

今年はもっともっと詳しくなりたい。

 

 ベスト盤のライナーノーツ

BEST ALBUM「Best of Best 25thAnniversary」 (CD)

BEST ALBUM「Best of Best 25thAnniversary」 (CD)

 

 

 

 

 この号ではインタビュー書いてます。

JAZZ LIFE 2017年 11 月号 [雑誌]

JAZZ LIFE 2017年 11 月号 [雑誌]

 

 こちらはライブレポート。

 

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.90

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.90

 

 

 

 

Gregory Privat 丸の内コットンクラブ

ジャズジャパンの取材で丸の内コットンクラブへ。
マルティニーク出身でパリから来てくれたピアニストのグレゴリープリヴァさん。
思索的な深み。
やっぱりメロディがすごくいい。
カリビアングルーヴが融合してすごく新鮮。

ペトルチアーニが亡くなってから、ずっとぽっかり空いていた場所に来てくれた気がして
どうしても聴きたかった。

すごく満たされました。

発売されるジャズジャパンでは彼のインタビュー原稿書かせてもらってます。

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こちはらインタビュー時の写真。f:id:mimeyama:20180119210509j:image

 

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.90

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.90