レ・フレールの「ピアノインフィニティ」ツアーに行ってきました。
ツアー終盤ですのでセットリスト書いてしまいます。
知りたくない方、ご覧にならないでください。
新作1曲目の「明日へ」からスタート。シンプルな和音を使った曲で、守也さん圭土さんの作る響きが染みこんできます。
「挑戦者」「ザ・ギャンブラー」で、どんどんリズムのテンションが上昇。このグルーヴがいいんです。
欲をいうと、2月のヤマハホールで聴いた音の渦を耳が覚えていて、あのときと比べると音圧が物足りないなと思っていたら、
「DDROCK」のあたりから、二人の音がどんどん共鳴。「海、落日の祈り」のピアニッシモが、突き刺さるように飛んでくる。
進むにつれ、ピアノがどんどん鳴り始めます。なんで⁈ すごいわー。
後半は盛り上がり系の曲になり、手拍子なども交えて楽しみました。ベストスコアにも収録の「パラレルワールド」は息を飲む緻密な迫力。兄・守也さんの「サマーナイト」あたりの湘南系ナンバー大好き。夏の海が目に浮かび、幸せな気持ちになりました。「大風車輪」は、守也さん手をグルグルしてから弾くパフォーマンス、あれは風車なんでしょうか、楽しい(笑)
最後は、レ・フレールのヒット曲をメドレーにしてくれて、これもすごかった‼︎
テンポがアルバムよりものすごく速くて、大丈夫かなと思った瞬間もありましたが(心配症なんです)二人ともありえないほどの速弾きで爆走。
特に弟・圭土さんのソロがちょっとなかなか見られない次元でした。
アンコールは、彼らの代表曲であるBoogie Back to Yokosuka。素晴らしかった。胸がいっぱいになり、
エネルギーをもらいました。
2000人収容のみなとみらいホールでピアノ連弾で単独公演、改めてすごいと思うんです。
ドラムじゃなくて、ピアノでお客さんに手拍子これだけさせちゃうなんて。
これだけのポテンシャルがピアノにあるんだなぁ。
レ・フレールのお二人は、ポピュラースタイルをピアノだけで演奏できるように、芸術的に完成させる作業をしているのだと思います。歌だったものを鍵盤に移し替えてバッハのインベンションができたり、ベートーベンが交響曲の原型としてピアノソナタを書いたりしていたように、ドラム、ベース、ギターで演奏する20世紀以降の8ビートを基調にしたスタイルをピアノだけで音楽的に成立させる作業。
さらに、レ・フレールのすごいところは、本人たちだけでなく楽譜で他人が曲を弾いても、かなりサマになるという作曲としての完成度の高さです。ジャズポピュラーを採譜したものは、あくまでも私の場合ですが、アーティスト本人が弾くと素敵でも、楽譜を買って弾いてみると自分の音にガッカリして二度と弾く気が起こらない。
ところがレ・フレールは違う。楽譜を弾いてみると本家アーティストとは比較にならないにしても、悪くない、もっと弾きたい、弾くのを止めたくない音がする。それは作曲としての完成度によるものではないかと思います。
彼らと同じ時代に生きて、リアルタイムに活動を追いかけられるのが、とても幸せです。