山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

レ・フレール ノエル・ド・キャトルマン品川教会

12月5日のマチネ公演へ。

ツアー中なので詳細は控えますが。

 

やはりクリスマスの曲たちがステキでした。

リズムが生き生きしていて

タッチが輝かしい。

胸が躍るような、温かい気持ちになるような。

 

内部奏法が大丈夫なスタインウェイなので

内部奏法ありの曲、

「イーグル」は5度の響きが

「サムライファンキー」はグルーヴ感が

たまらない。

 

守也さんソロの新曲「風花」は、高音域を使ったキラキラした音が、胸のつかえを溶かしてくれるかのよう。きれいなのだけど、それだけじゃなくて、心に残る、聞いたことのない感じの曲。

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For Kids 良かった。響きがしっくりきてました。

 

シンプルなクリスマスの曲やディズニーの曲を

奇をてらわず、でも新鮮に楽しく聴かせるレ・フレールの手腕、すごいなと毎回思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

古川初穂ピアノトリオ 本厚木キャビン

初穂さんのピアノトリオを本厚木キャビンで聞いてきました。

則竹須藤のリズムセクションだからとにかく行かなきゃと行きましたが

初穂さんの新曲が4曲? 

美しくて繊細で、しかもわかりやすくて

ロックな骨太さもチラッとあり

プログレチックな難しいリズムのユニゾンもあって聞き応えがありました。

どの曲もソロがめちゃくちゃ盛り上がってトリオで疾走するんです。

あの気持ち良さといったら。

 

則竹須藤のお2人が馳せ参じるのも納得。

ジャズのピアノトリオは、ウッドベースなのかエレキベースなのか、そこで音楽性が分かれるところですが、エレキベースはシャープで細かいフレーズを演奏するのに適していますね。初穂さんはプログレとかロックの要素を含んでいるので、やはりエレキベースなんだなと。

ノリストコンビの2人というと、反射的に行かなきゃと思ってしまう。それは、この2人が一緒に演奏するときの強力な波動が毎回ものすごくて。スクエア在籍時には10何年ずっと一緒に演奏されていたわけですから。一緒に音を出しているだけで、その説得力とパワーたるや。ライブで聴いて「これって何なの? すご過ぎる」と感動しなかったことが一度もない。

 

私の中ではお2人が束になって演奏しているイメージが強いのですけれども、今回は、それぞれ自由に違うことをやっていながら実はピタッと合っているような感じ。トリオのすごく密度が濃くて3つの違う世界が合わさって1つになったり3つの色が見えたりするような時間でした。

 

初穂さんは、とらえどころがあるようなないような、でも演奏を聴くと必ず引き込まれてしまう。64歳になりましたとおっしゃっていました。いかにもテクニックがある的なひけらかし的なわざとらしいことを全くしない。淡々と弾いています。ものすごく繊細で響きが豊かで美しくて、力強くてびっくりするような展開があって。あらゆる意味で演奏は完璧。アイデアのひとつひとつがどこかから持ってきたような感じが全くなくて今生まれたばかりのように新鮮。誰にも似ていない不思議なピアニストです。

 

f:id:mimeyama:20191204084946j:imageフライヤーなどの写真を撮り忘れてしまったのでお酒とおつまみの写真しかありませんが…雰囲気だけでも。

 

則竹さんは、明るい茶色の木目のサカエのセット。穴あきシンバルもありました。

 

あまりにご機嫌で

たくさんお酒を飲んでしまい

セットリスト怪しいですが

 

アリエル

ビートルズの何だったかな、、

 

 

いきものかがりの「ありがとう」

ドラえもんの歌

 

とあったあたりです。


いわゆる歌ものをジャズにする類の演奏は私はアルバムレビューの仕事で果てしない量、たくさん聞いています。その上で、初穂さんのこのアレンジ、展開の素晴らしさは本当に唸ります。原曲のイメージはそのままに、微妙に新鮮に感じるようにメロディーラインをいじる。リハーモナイズしてると思うのですが、これがいかにもハーモニーかっこいいのに変えてみました的なわざとらしさは全くなく、自然な美しい流れで、でもやっぱり原曲よりもっと素敵にジャズっぽく絶妙な落としどころになっている。

森山良子さんといった重鎮ミュージシャンの方が共演ミュージシャンとして初穂さんを手放さない、それはそうだろうなとしみじみ思った次第です。

 

yo・ka・・n…

yo・ka・・n…

 
かげろう

かげろう

 
おくにうた

おくにうた

 

 

 

初穂さんはFacebookに次のアルバムも間近かな、みたいなことをお書きになっていたので期待したいところです。


 

T -スクェアとフィリップ・セス ブルーノート東京

キーボーディストのフィリップ・セスさん。

スクェア日比谷の野音で

90年代に来てくれましたよ。

 

あれ以来かな、生で、聴くの。

 

 

病に倒れた河野啓三さんの代わりにアルバムに参加、そして今週は来日ツアー。

 

 

曲名書きますのでネタバレ注意です。

 

「ホライズン」の曲はまだ私自身が慣れていないけど、コンテンポラリー感? ポップでスッキリしてるけど新しい雰囲気。グルーヴが強力。

 

和泉宏隆さんの曲がやはりキーボードをフィーチャーしていてカッコいいんですよ。河野さんは和泉フレーズを丹念になぞるけど、フィリップは崩します。ブレイク入れたり。これがまたカッコいいんだな。

 

アンコールは

ブリーズアンドユーのフィリップさんソロ

この瞬間にすべてが、凝縮されていました。

 

伊東さんアルト、やっぱり抜けがいい。惚れ惚れ。

 

 

 

斎藤守也ピアノライブ 第3回子どもの命と向き合う チャリティコンサート

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冷たい雨のなか、横浜まで斎藤守也さんのチャリティコンサートへ。

 

子どもホスピス建設のためのイベントです。

昨年は、聞く勇気がなくて来れなかった。

今年は、なんとなく、大丈夫な気がして。

前半は細谷亮太先生のライブトーク。

 

病気のお子さん達を治療されてきた思い。「小児科は儲からない」と繰り返していました。確かに。いまグローバル化で支える側も余裕がない。だから切り捨てられやすい、、、

 

でも、病気とたたかう子ども達を見ると、生きるって何か、私は、とても本質的なことを考えました。

 

講演の途中で、残された時間が少ないとき、楽しい時間を過ごしたい、自分らしく過ごしたい、という思いで透析を拒んで亡くなった18歳の女性の動画を見ました。

 

それって、最後が見えていなくても、もっと大事なことじゃないのかな。

 

生きるって 何なのかな。

 

仕事に勉強に追われて頑張るのも幸せなことかもしれないけど

 

自分らしく過ごすのが人生最後だけなのは違うと思う。

 

生まれから闘病だけで過ごして亡くなるお子さんのことを思うと、私は、何十人分?もの夢をすでにもらってしまったのかもしれない。

なんだか申し訳ない。

 

できることは、やりたいな。

 

大切なことを見失わないようにしたいな。

 

うまく書けないけど、そんなことを考えていました。

 

赤ちゃんたちが無条件の可愛い笑顔と幸せを与えてくれるように、病気の子どもさんは、大切なものを考えさせてくれる貴重な存在。だからこそ、皆で支えたい。

 

そんなことを思いながら始まった後半、守也さんのライブ。「小さい秋見つけた」「彼こそが海賊」「アンダーザシー」演奏はバッチリなんだけど、何故か気持ちが演奏とシンクロできない。多分、、楽しい曲に気持ちが切り替わらない。

 

そこで守也さんは、予定になかったしっとり始まるオリジナル「フォトアルバム」を演奏してくれました。

 

静かなハーモニーのうつりかわり。

語りかけるようなメロディ。

フワッとたちのぼるように広がっていく後半部分。

 

会場の気持ちが、スーッとひとつになるのが目に見えるようでした。

 

悲しい病気、どうすることもできないことはたくさんある。

私の師匠の多喜靖美先生も、いま病気と闘っています。

 

でも、大切な思い出は、どんなことがあっても、

誰にも奪えない。

 

大切なことを見失わないように生きていかなきゃ。

大人になれなかった子どもたちの分も。

病気のお子さんを支えるご両親の分も。

 

「楽しい時間」を作るのは、

ピアノの先生、音楽業界、セミナー講師である

私の出番。

 

なんにもなかった、つまらない日ばかりじゃ

つまらない。

楽しかった日をつくる人になりたい。

楽しかった日をつくる人を助けたい。

 

 

 

「フォトアルバム」のあとは、楽しい曲がきてもしっくりきましたね。

「ゲンコツやまのたぬきさん」がますますブルージーでいい感じ。

 

 

 

音楽の力に、静かに打たれたコンサートでした。

細谷先生のお話、辛い話でしたが、聞いて良かった。

刺さった辛さを守也さんのピアノが溶かしてくれました。

 

 

それにしても予定になかったけど、その場に一番必要とされている曲をとっさに弾く。

プロだから当たり前?

いや、プロだからこそ、クオリティが求められるし、予定していない曲をいきなり弾くのは怖いんじゃないのかな。

聴き手の気持ちをわかっているライブアーティストってこういうのが咄嗟にできるんだな。

 

 

レ・フレール 斎藤守也の 左手のための伴奏形エチュード: 童謡アレンジで楽しく学ぶ

レ・フレール 斎藤守也の 左手のための伴奏形エチュード: 童謡アレンジで楽しく学ぶ

 
ピアノソロ 斎藤守也(from レ・フレール)『MONOLOGUE』

ピアノソロ 斎藤守也(from レ・フレール)『MONOLOGUE』

 
MONOLOGUE

MONOLOGUE

 

 



 

 

 

アコースティックウェザーリポートに取材

ジャズジャパンで、
アコースティックウェザーリポートの
インタビューを担当させていただきました。

新作。
もう、アルバム出だしのハイハットだけで
完全にノックアウトされ、そこに
ウッドベースがで、うおーーーーーと
テンションが。
是非ジャズジャパンをご覧ください。

 

斎藤守也「左手のための伴奏形エチュード」刊行記念ライブ

斎藤守也さんの楽譜の刊行記念ライブが神楽坂の音友ホールで行われました。

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最初の左手のための伴奏形メドレー
ベーゼンが
すごい鳴り!!!
鐘の音!?

https://www.instagram.com/p/B4m-QXdFVUh/?igshid=13sk4fp4kuh6c

かなり扱いにくい、友ホールのベーゼンインペリアル。パワーがあって残響長いから響きすぎちゃうんです。でも、それだから出せるピアニッシモのすごさや倍音の豊かさ、爆発的パワーもあり。暴れ馬のインペリアルがどんどん飼い慣らされていき

めちゃくちゃ盛り上がり
モノローグな曲は美しすぎて
もう、引き込まれておりました。
すごい。守也さん!!!

お客様ほぼ満席!
楽譜もすごい勢いで売れていて
業界関係者の方も金曜日の夜なのに沢山来てくださり
ピアノの先生方も平日夜なのに沢山来てくださり

お客様も、みなさん
すごい笑顔で帰られて

こんなにいい形になるなんて。

ウルウルしながら聴いていました。


ムジカノーヴァ編集長、西脇さんと。

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連載中から応援してくださっている古内奈津子先生も

ライブに来てくださいました!

 

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レポートはムジカノーヴァ1月号に執筆いたします。

 

この次の号ですね。

ムジカノーヴァ 2019年12月号

ムジカノーヴァ 2019年12月号

 

 

私は、楽譜にサイン、今日入れていただきました。
今日まで待ってて良かったです。 

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レ・フレール 斎藤守也の 左手のための伴奏形エチュード: 童謡アレンジで楽しく学ぶ

レ・フレール 斎藤守也の 左手のための伴奏形エチュード: 童謡アレンジで楽しく学ぶ

 

 

 

 

 

ブレハッチ ショパンピアノコンチェルト1.2番

今日は東京芸術劇場で
ブレハッチのショパンピアノコンチェルト1.2番。

本当は今日はオフで家のことをする予定でしたが
弟がチケットを譲ってくれて
行ってきました。

繊細で美しくてはかなくて
ピアノってあんな音がするんだったかしら、、
夢を見ているような気がしました。

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