山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

本田雅人B.B.Station@ブルーノート東京 6月25日

各方面のバンマスが大集合

先週、ブルーノートでの本田雅人さんのビッグバンド2DAYSの初日に行ってきました。この日は則竹さんがドラムなのを発見してとにかく駆けつけたんですが、よくメンバーを見てみるとベースが桜井さん、ピアノが佐山さん、ほかにもサックスの吉田治さんにトランペットの小林正弘さん、トロンボーンの中川英二郎さんなど、自分がバンドを率いているリーダーみたいな人がメンバーとして大集合していて、あまりに豪華な面子なのでびっくり。

結成したときの98年、六本木ピットインにも行きましたとも。そのときもすごく良かったけど、今回は場所もブルーノートで、さらにグレードアップしたわけですね。

ピットイン公演から12年!

B.Bステーションのテーマが始まるやいなや、もう、金管のクレッシェンドの迫力に、鳥肌がおさまらない!! 2曲目は本田最新ソロアルバムからの編曲。リトルリーグスターでは4人のバンド席のサックス奏者がソロをかわるがわる吹いて、これも聴きごたえあり。待ちぼうけの午後は、トロンボーンの柔らかい音色が素晴らしい。コンドレンスは、佐山さんのアヴァンギャルドなピアノソロが炸裂、このまま佐山さんの演奏だけ1時間続いてもいいなあと思っていたら本田さんのサックスソロとドラムのフリーなデュオ。本田さんのライブでは何度も見たおなじみの見せ場ですが、ビッグバンドの中でもまったく違和感なくすごいスリルで手に汗握っちゃいました。まさに圧巻!!!! 

やっぱりスクェア時代の曲は圧巻!

放課後は日曜日では、バンドのサックス部隊がクラリネットやフルートに持ち替え。この曲は、本田バンドのコンボ編成のほうが好きかも。ビッグバンドにするには、ちょっとメロディが複雑すぎるような。これはこれでもちろん悪くなかったのですけどね。それから、お約束のメガリス。全編を通して、コンドレンスとメガリスが良かったかな。やっぱり圧倒的な名曲ですね。何度聴いてもいつ聴いても圧倒されてしまう。キーボード入りの5人編成だろうと、ビッグバンドだろうと、どっちでも大興奮です。

アドリブ→テーマへの戻り方が…

ピアノソロやギターソロの途中もりあがってきたところで、ステージ中央の本田さんが、ホーンセクションにキューの合図を出すと、これまた見事なタイミングで金管がソロの伴奏というか、会いの手を入れてました。私はビッグバンドはあまり聞きなれていないほうですけど、ピッチやリズムの正確さはたぶんもの凄いハイレベルだったんじゃ。キーボードでホーンセクションを弾くのとかわらない機動性、しかもそれとは比べ物にならないダイナミクス、豊かさ、音色のバラエティ、もう、とにかく、豪華としかいいようがないですね。気分が豊かになってきます。

アンコールはマイケル・ジャクソンのヒューマン・ネイチャーでした。

作曲・アレンジ・プレイヤーの3拍子!

とはいえ、フュージョンのテクニカルだったりポップな部分と、ビッグバンドジャズの迫力やゴージャスな部分が混じり合って、マニアも本田ファンもビッグバンドのファンも楽しめる素晴らしいステージになっていたと思います。プレイヤーとして、このビッグバンドの金管奏者の誰もが認める腕前、そして作曲とアレンジの才能、これだけを兼ね備えた本田さんの存在は、本当に貴重です。本田さん、今年はビッグバンド、もっと聴かせてほしいなー。


B.B. Station Live

B.B. Station Live