山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

ディジー・ガレスピー・オールスターズ@2011年11月26日 丸の内コットンクラブ

ディメンションのライブが六本木で6時開演、終わったのは9時でしたが、そこから日比谷線に乗って8分。日比谷で降りて、丸の内のコットンクラブに向かい、9時半スタートのセカンドセットに間に合いました。

取材したサイラス・チェスナットが出演しているディジー・ガレスピー・オールスターズの最終日、最終公演でした。

偉大なトランペッターのガレスピー。「マンテカ」や「チュニジアの夜」を作曲した人でもあります。
彼自身はもう亡くなっているのですが、ガレスピーと共演したミュージシャンたちが大集合。ジョン・リー、ザ・ヒース・ブラザース(ジミー・ヒース&アルバート・ヒース)、サイラス・チェスナット、そして若手のトランペット奏者ジェレミー・ペルトという顔ぶれです。

もちろん、超・有名曲「ソルト・ピーナツ」、やってくれましたよ! 楽しいー!!!!
バンド全体が、ほのぼのとした雰囲気で、とてもハッピーな空気。
ヒース・ブラザーズは、もうかなりのご高齢だと思うんですが、ぜんぜんまだまだ元気な感じで、
私の大好きなフュージョン・ミュージシャンたちも、80歳近くなっても、年齢を感じさせない演奏をしちゃうのかな?? とか考えてしまったり。

ジャズっていっても本当にいろいろあると思うんですが、このガレスピー・オールスターズは、古きよき時代の楽しいジャズをやっているんですね。メロディもはっきりしているし、冒険とかスリリングな瞬間はもちろんあって楽しませてくれるけど、あまりアヴァンギャルドなことはやらなくて、安心して聴いていられます。ジャズの伝統を大切にしている人たちです。超絶技巧ひけらかし系のプレイはぜんぜんないけれど、緻密なアンサンブルに、無駄のない音で見事に構築されたアドリブ。とても説得力がありました。

サイラスが1曲ピアノトリオの編成で、「枯葉」を弾いてくれました。やっぱりピアノを鳴らしきっていて、タッチもいろいろな種類を見事に使い分けているし、展開も斬新で、有名曲をこんなふうに料理してくれるというのが、本当に退屈させずに魅せてくれます。すごいピアニストです。

コットンクラブ、お値段は安くないですが、ブルーノート東京よりも断然小さい空間。ちょっと大きな音楽室ぐらいですよ。教室の座席から先生を見るような感じで一流アーティストの演奏が間近に聴けるのは、やはり素晴らしいです。

ライブは音だけ聞こえればいいってもんじゃありません。ソロを聴きながら伴奏しているミュージシャンの様子とか、ソロが終わってテーマに戻る一瞬のアイコンタクト、何に注意しながら演奏しているのかといった視線なんかも、間近に見られるのはすごく貴重なことです。私なんかその類の詳細はけっこう見慣れているつもりでしたが、コットンクラブではいつも新しい発見があります。


チュニジアの夜

チュニジアの夜

  • アーティスト: ディジー・ガレスピー・アルムナイ・オールスター・ビッグバンド,ディジー・ガレスピー,ジョン・ファディス,テレル・スタッフォード,アール・ガードナー,アントニオ・ハート,フランク・ウェス,ジェームス・ムーディ,ジミー・ヒース,ゲイリー・スマルヤン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
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