山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

パット・メセニー ユニティバンド@ブルーノート東京 2013年5月24日2nd

先週の金曜日、南青山のジャズクラブ「ブルーノート東京」に
ギタリストのパット・メセニーを聴きにいってきました。


受付ロビーに着いたら、もんのすごい人で溢れ返っています。

着席しようにも、「10番でお待ちのお客様」…とかアナウンスしてるし
私は・・・85番!?


15分遅れ、9時45分に始まりました。


パットのふわふわ頭が暗闇のなかに見えた瞬間、もう、涙が出そうにっ(涙)


頻繁に来日しているとはいえ、やはり年に1回聴ければいいほうですから、
生音を聴けると、本当に感動しちゃいます。
疑いなく、現代最高の音楽家のひとりです。


Pat Metheny(g)
Chris Potter(Sax9
Antonio Sanchez(ds)
Ben Williams(b)


 ピカソギターのソロから、バンドの演奏へ。
クリス・ポッターがバスクラリネットを吹いていたので「あれっバスクラ入ってたんだ』と気づきました。彼の演奏を生で聴くのは初めてでしたが、いいですね。 

 アルバム「ユニティバンド」でも感じましたが、パットがいくつか作ったいわゆる難解なジャズとは違う路線。わかりやすい、メセニーグループ寄りの曲が多くて、すごく楽しめます。ジャケ写を見ると、もう少し4人でバンドっぽくするのかと思いましたが、メセニーの曲をメセニー中心に演奏するバンドというコンセプトなんですね。サックスが入っているからか、とてもリラックスした感じでした。

 アントニオ・サンチェスのドラムが、全体もしっかり見つつ、細かいところまで
パットのアドリブにいちいち対応している。すさまじい反射神経、すごいテンションが最後まで持続していて、この人はやっぱり凄いと再確認。


 新譜からの曲のほかに、『James』をやってくれて、語りかけてくるようなメロディを歌うパットのギター、最高に素敵でした。
 『breakdealer』が白熱して疾走していて、心に残りました。
 
 オーケストリオンとのコラボレーション、ギターをひきまくっているパット自体はなかなか聴き応えがありましたが、共演メンバーたちは、「何をしたらいいのかなぁ」と戸惑っていたようにも見えました。オーケストリオン…、食器棚のガラスびんずら〜りみたいなのも、これ、アメリカから持ってきたんだ。大変だっただろうなぁ。う〜む、ここまで大掛かりに持ってこなくてもいい気もするけれど、パットのこだわりなんだろうな。

 アンコールで『Are you going with me?』をオーケストリオンを鳴らしながら演奏していたのは、実に見事にはまっていました。クリスはなんとフルートでメロディを吹いていて、これも曲にぴったりでした。しみじみ聴かせてもらいました。

 バンドでの丁々発止のアンサンブルの応酬、懐かしい曲、さらにピカソギターやオーケストリオンなどの要素もあって、非常に凝縮された時間でした。9時45分に始まって11時25分ぐらいまで演奏していたので、時間もちょっと長かったのかな。カルテット編成のメセニーがこんなに楽しめるなんて、驚いて帰ってきました。

ユニティ・バンド

ユニティ・バンド