山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

イエロージャケッツ@丸の内コットンクラブ 2014年1月18日 1st



コットンクラブ初日の映像!

イエロージャケッツの公演観てきました!!!

ドラムがウィリアム・ケネディになり、ベースのジミーさんが抜けてジャコの息子さんのフェリックスに。この顔ぶれで聴くのは初めてです。といっても前回わたしが聴いたのはオークランドのYoshi'sですから、相当前ですね。2006年ですよ。ひえ〜。

→そのときのブログ記事。
http://d.hatena.ne.jp/mimeyama+writer/20061103

イエロージャケッツは32周年、とミンツァーが言ってました。いやはや。圧倒的に完成されたサウンド。速弾きとかはないし、ユニゾンなんかも、ゆる〜いフレーズだし、グルーヴィだけどそれほどこれでもかぁ〜さぁ〜踊れっていうほどでもない、ほどよいノリ。クールなようでいてポップというか歌っぽい。しかしインストならではのサウンドの面白い構築が刺激的。でもって選び抜かれた音の細かいニュアンスが完璧にコントロールされていて、4人の楽器で4本の線をくっきり描くみたいな独特の手ごたえ。これですよ、これ、これがイエロージャケッツでしか味わえない独特の感触。たまりません。

初めてウィルのドラムを堪能した感想ですが、さすがに積極的なプレイでしたし、バンドサウンドの土台を完璧に作っていました。独特のキレといいましょうか、それほど叩きまくっているわけでもないのに、何度もはっとさせられるような演奏でした。フェリックスは、大御所のなかに新人で混じって、でもだいぶ慣れてきていい感じになってきたのかなという。ジミーさんはある意味すごく独特の魅力のある音、プレイスタイルのあるベーシストだったわけで、そのあとに入って違和感ないサウンドを聞かせてくれているというのが凄いです。ミンツァーとラッセルは相変わらず完璧というほかに言葉が見つからないです。



私自身、ここ数年クラシックの室内楽の演奏を勉強しているのですが、ラッセルのピアノは、クラシック室内楽ピアニスト的な観点からみても、タッチやニュアンスのコントロールがすごいレベルに達していて、魔法のようでした。それと今回気づいたのは、ラッセルって、あまり右手でオクターブとか和音とか連打とか派手なことをしない。ほとんどやらないで、単音でメロディを弾いています。あえて、なのでしょうね。和音を弾くときも、わりと密集しているポジションで、和音が塊になって聞こえて、それも歌の一部みたいな感じ。

ラッセルのバックグラウンドのひとつにゴスペルがあるわけですが、いちいち弾くフレーズが全部歌になっているんですよね。同音連打とか高速アルペジオみたいなアクロバティックで盛り上がる、だけど歌えないようなフレーズは弾いてないんだ、と、今回初めて気づきました。4人でいろんな歌をパッチワークして1曲に仕上げているような。この「歌」を組み合わせて曲にするためにテクニックを駆使しているのがイエロージャケッツの独特の感触なのかなぁ。室内楽のおかげでいろいろな発見ができるようになり、余計に楽しいですね。

ジャケット・タウン、デューイ、マイ・オールド・スクール、モンクズ・ハビット、あたりのセットリストはメモれました。あと新作から1曲 An Informed Decisionをやってくれたかな。ラッセルはこの日お誕生日だったそうです!!

A Rise in the Road [輸入盤]

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