山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

レ・フレール with N響の仲間たち 初台オペラシティ

レ・フレールと弦楽器の共演を聴いてきました。

 

響きのいいタケミツメモリアルに

ベーゼンのインペリアル

N響の澄んだエネルギーのある弦

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いいだろうなと思ってはいましたが

音の渦が会場に満ちて、弦楽器の音がピアノの余韻と溶け合い、想像以上でした。

 

民族音楽的な響き

クラシカルな響き

和の響き

ロックな響き

レフレールのオリジナル曲では

それらが鮮やかに交錯します。

 

レフレールは曲がいい。

だからどう料理しても楽しい。

バイオリンが旋律を弾いても、

弦楽器がピチカートで伴奏を刻んでも、いい。

 

レフレールは低音の比率が高い。

会場によってピアノの鳴りがものすごく違う。

今日は、かなり鳴っていて、弦楽器の共鳴もあったし、とても豊かでした。

 

この「鳴り」を毎回どうなのかなと味わうのも、追いかける醍醐味。ホール、ピアノ、天気でもかなり違います。

 

弦楽器は平均律のピアノと違い、クリアな純正律。

さらに伸ばしながらクレッシェンドができる。

使い方によって曲の表情が変わります。

 

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あまりレフレールのパートはいじらず

弦楽器を足したような形の前半から

 

後半はチェロとの絡みやコンマスさんのソロもあり

ピアノコンチェルトみたいな響きもあり

つややかで素敵でした。

 

後半の最初、ブギウギ即興楽しかった! どんどんテンポか上がって、どうなるのかハラハラ。

 

オケではなく弦楽器12人だけとのコラボは、リズムがシャープなレフレールの音楽に非常に相性が良かったです。弦とのコラボならではの構築度合いは「狂想曲」「アンパッサージュ〜プレサージュ」が現代音楽のような一面もあり、聴きごたえがありました。

 

「挑戦者」終盤の転調して上行するところ

「狂想曲」の怖いくらいのリズム

「マスカラード」のドラマチックな半音階進行

「桜」の内部奏法の音色が優しく包み込むような感触。

 

頭の中に音が残っています。