山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

THE PIANIST “SPECIAL “ 立川ステージガーデン

立川ステージガーデンに「THE PIANIST “SPECIAL “」を聴きにいきました。先週はオーチャードでオケでしたが、今回はピアノだけ。

立川ステージガーデン。初めて行きましたが、
2階後方の壁がガラス扉になっていて、今日は天気が良いからか? 全開でした。外からホール内が丸見え。
ロビーじゃないですよ、ホールの壁。

そこに階段とか、スクリーンやスピーカーもあって無料で見てる方がいるんです。その向こうは芝生広場。緑がいっぱい。

外の喧騒もやや入ってくるので、ジャズフェスみたいな感じですがもちろんホールっぽさもあり。ピアノの音はマイクで拾って少しだけ大きくしてたのかな? かな?という程度でしたが。

辻井さんがラ・カンパネラで5と4のトリルをする様子がスクリーンに大写し。音の美しさ、歌い方に酔いしれていたのですが、、、度肝を抜かれました。

 

 

大きな会場、2500人に手拍子させちゃうレ・フレールを聴きながら、私も先生方や生徒さんにピアノで手拍子をもっと広めたいなぁとかぼんやり考えていました。「FOR KIDS」を聴いていたら、スライドで子ども達の絵、、、ずっと音楽で皆に元気を与えてくれてきた。なんだか涙が出てきました。守也さん圭土さんだけで頑張らなくて大丈夫だから。私も絶対、私の読者であるピアノの先生方を元気にして、生徒さんを元気にするから。

とか勝手に盛り上がってウルウルしながら手拍子してました。

 

 

 

加古隆さんの音はやっぱり美しかった。黄昏のワルツの楽譜が欲しくなりました。

私のようなマニアも、一般のお客様も楽しめる内容。アーティストのひたむきな思いがビンビン伝わってきて胸が熱くなるコンサートでした。

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THE PIANIST! オーケストラコンサート

辻井伸行×加古隆×レ・フレール
THE PIANIST!
オーケストラ・コンサート
Bunkamura オーチャードホール
山下一史指揮 東京フィルハーモニー交響楽団

 

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今日は至近距離。2列目、しかも正面
目線が舞台の高さ
フルコンの下から出てくる音がメイン

オケの打楽器の音、時差がある
これは、、、懐かしい
ほぼ授業オケでセカンドバイオリン弾いてたときの感じ

ピアニストの4人の表情も呼吸も、打鍵も離鍵も、
オケとの拍子の感じ方も、

手にとるようで

なんか自分が演奏しているような感じで入り込んで
聴いてきました

割れんばかりの拍手の音も、しみじみ


辻井さん、コルトナの朝を弾き始めたら、温かくて優しい音。聴いたことないような、、、
「ラプソディー・イン・ブルー」アイコンタクトなしでもバッチリ、オケと合っていて、、、当たり前かもしれないけど、合っているというより、タイム感を共有してる感。細部までものすごく丁寧で完璧で、恐れ入りました。いつも思うけど、純粋に音楽に入り込んでいく感覚が伝わってきて、打たれます。


加古さん、「パリは燃えているか」「黄昏のワルツ」、淡々と弾いてる音が突き刺さるように美しい。ピアノとオケの役割分担がはっきり分かれていて、オーケストレーションが秀逸。内に秘めたものをハッとするようなスケールで描く迫力。

 

 

 

 

レ・フレールは、

ニューヨークシンフォニックアンサンブルのアレンジとたぶん同じなのが、

Boogie Back to Yokosuka 

マスカラード
プレサージュ
On y va!

ゴージャスでした‼︎

 

「挑戦者たち」オケ版は初めて。よりドラマチック。
オケと一緒だと落ち着いて隅々まで味わう感。

 

「桜」のメロディをコンマスとチェロのトップの方がかわるがわるが弾いてくれて沁みました

こちらは、2018年7月N響とのコンサートのアレンジでしたかね。

 

レ・フレールはベーゼン
加古さん ベーゼン
辻井さん スタインウェイ

レ・フレールは内部奏法ありでした

 

 

 

最後のカーテンコールでピアノ全員が揃ったら
泣けてしまいました

 

家にすぐ帰る気分でなく、Bunkamuraのロビーラウンジで、お茶しながらボーっとしたけど
神泉にいくはずが、246に行ってしまった
良かったコンサートの帰りによくある。

 

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野口茜さん、安らかに

悲しいお知らせ

ピアニストの野口茜さんが、亡くなったそうです。
取材で知り合った茜ちゃんは、
蔵谷雅子先生のお弟子さんで、
私の研究会でもイギリス館でセミナー講師をしていただき、そのご縁でたくさんの先生方と交流しておられました。

白血病。
ふたりのお嬢様。まだ下は2才。
どれほど無念だったか、、、。
茜ちゃんとの交流は数年でしたが、たくさんの素晴らしい思い出をいただきました。

 

 

茜ちゃんはコロナになってからずっと入院で人に会えない状況だったんですよね。最後の1年の闘病しながらの気持ちを思うと。

去年の7月ごろ、入院中に少し調子が良くて、CHASEの演奏動画にコメントをくれて、それからコード分析をメッセンジャーで一緒にしてくれたんです。もはやオンラインレッスンだから月謝払いますって言ったんだけど、退院したら本格的にねって言って。
今思うと入院中はピアノも弾けないから。なんで私? と思ったけど、練習してる生々しさみたいなのを求めて聴いてくれていたのかもしれません。

 

ご主人による近況報告の記事

https://yoshiakikayano.tumblr.com/post/647041200645423104/%E5%83%95%E3%81%AE%E5%80%8B%E4%BA%BA%E7%9A%84%E3%81%AA%E4%BA%8B%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%81%94%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%81%A7%E3%81%99-%E6%98%A8%E6%97%A5%E3%81%AE%E6%8A%95%E7%A8%BF%E3%81%AE%E9%80%9A%E3%82%8A%E5%A6%BB%E3%81%8C%E4%BA%A1%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F?is_related_post=1&fbclid=IwAR2DPgl5S24bczaN8BE6j2nfooQjd8GDnZfS3w6q5aNKynRspm5J97xLZaA

 

小曽根真ソロ サントリーホール

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 小曽根真さん。還暦のお誕生日となる3月25日に、サントリーホールでソロ公演をされました。

私はジャズジャパンの取材で伺いました。来月号にレポートしますね。

とにかく胸がいっぱいになる素晴らしいコンサートで、余韻がまだ残っています。

 

 

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 こちらの小曽根さん巻頭インタビューを担当しています。どんな思いで演奏しているのか、語って下さいます。

 

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.127

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.127

  • 発売日: 2021/02/25
  • メディア: 雑誌
 

 

 そして今売っている128号にも、ジャズの未来への提言が書いてあります。

これから何を考えて何をしていくべきなのか、小曽根さんからの貴重なアドバイスは私の読者には全員読んでほしい。必読です。

 

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.128

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.128

  • 発売日: 2021/03/22
  • メディア: 雑誌
 

 そしてソロアルバム。これまでの小曽根さんとはまた一皮むけた感が明白で

ハッとする瞬間多数。

 

 

OZONE 60 (2SHM-CD)

OZONE 60 (2SHM-CD)

  • アーティスト:小曽根 真
  • 発売日: 2021/03/03
  • メディア: CD
 

 

 

則竹裕之 four wheel 赤坂 MZES東京

赤坂まで則竹さんのライブに行ってきました。
久しぶり、。赤坂なんて。
ライブはfour wheelsというバンドで
久しぶりに小野塚さんとのコンビ!!涙出そうでした。梶原さんのギターがたっぷり聴けて。川内さんは初めてでした。いきなり青木智仁さんトリビュート。と。ぐっときましたね。スタッフの曲をやってくれてノリが最高でした。

 

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斎藤守也ソロライブ カワイ横浜 2021年3月19日

斎藤守也さんのライブ、カワイ横浜
行ってきました

 

新作「ストーリーズ」のマッチングスコア発売を記念したライブ。

ストーリーズからの曲を沢山。それからその前のソロアルバム「モノローグ」からも。

 

カワイ横浜のプラージュ。50人収容のサロンですが、25席限定というあまりにも贅沢なライブでした。客席とステージがあまりにも至近距離。(ちなみに私はここで何度もセミナー登壇してます…)


書きたいことはたくさんありますが

熱気をお伝え、記録ということで、1曲だけ感想書かせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BANDIDO が、すごかった。
リズムが強烈で
ピアノが鳴る!!
シゲルカワイS6が聴いたことのないような

ぶわー! と爆発的なパワーで
しかもキレイな音。

 

こんな音を持っていたの、シゲルさん?

知らなかった。

 

スペインのフラメンコをほうふつさせるリズム。

フラメンコギターを思わせる音階。

情熱的であやしいスペイン風のフレーズ満載。

 

 

たっぷり音を浴びて、何もかも洗い流された感。

カデンツァ部分の即興もしびれました。

 

楽譜には、楽曲解説も載っていて、アルバムとあわせて楽しんでいます。斎藤守也さんのオフィシャルサイトで購入できます。

【3月末発送予定】斎藤守也『STORIES』楽譜 | Les Frères Online Shop (stores.jp)

 

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追悼 チック・コリアさん

2020年2月、チック・コリアさんが亡くなりました。

 

チックさんはフュージョンの父といってもいい方です。日本のフュージョン系ミュージシャンは皆、チックさんが好きな人が多い。

そして小曽根真、上原ひろみといったジャズミュージシャンもチックさんとの交流は深く、日本のジャズとフュージョンの両方において源流となる大きな存在でした。

 

私はチックさんの作品は、エレクトリックバンドそしてアコースティックバンドが長年好きで聴いていました。ジョン・パティトゥッチ(b)、デイブ・ウェックル(ds)とのコラボが大好きで。

音楽ライターになってからは、90年代に「オリジン」のツアーで来日したときにいちどインタビューもさせていただきました。

 

小曽根さんとのインタビューでもチックさんの話はよく出てきました。個人的な見解ですが、小曽根さんがクラシックを弾くようになったきっかけとして、チックさんがモーツァルトを弾いていたことが少なからず影響していたと思います。

 

いま私自身がチックさんのアルバムを振り返って聴き直したいなと思うのは、若い頃の『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』のようなストレートアヘッドなピアノトリオ。昔はよさがよくわからなかったのですが、いま聴くと、トラディショナルな形にはまっているようでいてタッチやリズムなどのあちこちにチックさんらしさがにじみ出ているのが面白い。

 

そして、2020年にリリースした『プレイズ」をはじめとするソロピアノの作品が最近とても面白いです。チックさんはバルトークの影響を受けていて、『ポートレイツ』では「14のバガテル」を弾いています。楽譜はこちら

IMSLP42554-PMLP03090-Bartok-BagatellesOp6.pdf

 

楽譜を見ながら聴くと、原曲を大切にしながら即興を入れてふくらませていて、でも、楽譜を見ないとどこが即興なのかわからないような自然さです。「チルドレンズ・ソング」はチックさんがバルトークの影響を受けて書いたピアノソロ曲集で、『ポートレイツ』でも弾いていますが、これ、面白い。バルトークっぽいリズムの強さ、左手と右手がそれぞれ歌になっているくっきりとした構造。後は何だろうな…まだちょっと私のなかで消化しきれていないけれど、じわじわと味わってます。

 

バルトークのピアノ曲はクラシックでもあり、ジャズの元祖でもあります。モードやオスティナート、変拍子、踊りのリズム。20世紀以降のジャズとロックにつらなる要素がてんこもりですから。そこからチックさんの音楽が影響されているというのがとても興味深い。

 

「14のバガテル」と「チルドレンズ・ソング」は、簡単ではないけれど、長大で難解というものではないので、子どもたちのレッスンで使える可能性もあるし、まず私自身が取り組んでみたいと思っています。

 

チックさんは、エレクトリックとアコースティック、ジャズとクラシック、ロック、民族音楽と現代音楽、伝統的なものと前衛的なもの、ソロピアノとコンボ編成、若い人の発掘と同世代とのコラボと上の世代のレジェンドとの共演、相対するものをどちらも面白がって自分のものにして、それがどれも作品として残るレベルを達成していました。そういう意味で天才のなかの天才であったと思っています。

チックさんの世界の全貌を概観するだけでもまだまだ時間がかかりそうです。

 

たった1回の取材でしたが、チックさんのお人柄の素晴らしさにふれたことは強く印象に残っています。まず、当時、私は月刊ショパンで仕事をしていましたが、チックさんが雑誌の名前を知っていたかどうかは疑問です。それでも快く取材のお時間をとっていただきました。20代の駆け出しライターだった私の質問にも本当に真摯に応えてくださって。写真も一緒に撮ってくださいました。つねにオープンな姿勢で、誰に対しても態度を変えない。

当たり前なのかもしれませんが、それまで私が接してきた「偉い人」、たとえば大学の先生方は、気難しかったり、あれもダメこれもダメと保守的な姿勢、学生にはぞんざいな態度をとる方もいらっしゃいました。

 

偉い人というのはそんなものかと思っていたのですが、その感じとチックさんはあまりに違います。チックさんは若手とのコラボもどんどんされていますし。まあ、昭和生まれの日本の組織でやってきた古い考え方とアメリカ人のジャズミュージシャンでは違うのは当たり前なのですけれど、20代の私には衝撃でした。

 

もちろんチックさんに会う前も、たくさん日本人ミュージシャンにはインタビューしていて、基本的にみなさんチックさんと同じスタンスでした。でも「この方が気さくだからなのかな」という疑問が拭えずにいたのです。でもチックさんに会って、そうじゃないことをはっきり確信しました。

 

チックさんのようでなければダメというわけではありませんが、チックさんのハッとするお話、音楽、お人柄に触れたことは私の中で大きな出来事でした。

 

チックさんは取材でルールNo.1のお話をして下さいましたが、それについては、また別の機会に。

 

 あれがダメ、これがダメと固まり切って偉そうにしていたら、新しく生き生きした音楽なんて生まれない。

 

チックさんがあらゆるジャンルの人と、スムーズに共同作業をしながらクリエイティブな作品をつくっていたことを考えると、今改めて、納得がいきます。

チックさんからは、音楽はもちろんですが、クリエイターとしてのフラットで自由、謙虚なコミュニケーション姿勢みたいなものも学ばせてもらった気がします。

 

心からの感謝を込めて。

チックさん、ゆっくりとお休みください。

 

 

リターン・トゥ・フォーエヴァー

リターン・トゥ・フォーエヴァー

 
プレイズ

プレイズ

 
ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス

ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス

 

 

 

クリスタル・サイレンス

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  • ゲイリー・バートン & チック・コリア
  • ジャズ
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  • provided courtesy of iTunes

 

 

チック・コリア・ソロ Vol.1

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ソロ・ピアノ~オリジナル

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Solo Piano: Portraits

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  • アーティスト:Corea, Chick
  • 発売日: 2014/05/13
  • メディア: CD
 

 

 

アイ・オブ・ザ・ビホルダー
 
Akoustic Band

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  • アーティスト:Corea, Chick
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD