金曜日に、六本木のライブハウス「サテンドール」に、渡辺香津美さんトリオの
演奏を聴きに行ってきました。
金曜日の夜の六本木、東京ミッドタウンの地下から地上にエスカレーターで あがっていくと、さすがに見事な夜景。金曜の夜の六本木、歩くだけでも華やいだ雰囲気です。
ミッドタウンのすぐ近く、3分も歩かないうちにサテンドールに到着。ビルの4階にあります。
渡辺香津美(ギター)井上陽介(ウッドベース)則竹裕之(ドラム)
3人が、すでに演奏を始めていました。
いつも思うことですが、香津美さんが弾くエレキギターは、音がものすごく太くて
あったかい!! どうやったらあんな音色になるのか、まったく謎です。
演奏してくれた曲は、
「ワルツ・フォー・デビー」
「ハバナ」
「ザ・サウドワインダー」
「アイル・リメンバー・エイプリル」
「上海」
「モーメンツ・ノーティス」
「ア・チャイルド・イズ・ボーン」
「「シー・ドリーム」
「マンハッタン・フル・ダンス」
などなど。最近のアルバムからの曲がやはり多かったですね。

- アーティスト: 渡辺香津美,ヤネク・グウィズダーラ(b),オベド・カルヴェール(ds)
- 出版社/メーカー: ewe records
- 発売日: 2012/10/17
- メディア: CD
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途中、トークでもお話がありましたが、
井上さんと則竹さんは、高校のときのバンド仲間で、当時、香津美さんの大ファン。その後ふたりとも別の場所でプロとなり、活躍していたところ数年前に、香津美さんに呼ばれて行ったら、リハーサルで再会したお話なども。
憧れの香津美さんと演奏できるなんて〜と夢がかなった状態なわけですが、それが現実になってしまうと、そんな感傷にひたるヒマはあまりないのかなと。れだけいい演奏ができるか。それしかないわけですから。
この日「すごい」と唸ってしまったのは、こんな場面でした。
香津美さんが、ソロで20秒か30秒ぐらい(だと思いますが計ってません)ごとに、まったく曲想の違う、別のアイデアのアドリブを次々に弾いていました。
ぱっと新しいことが始まった、その1拍後ぐらいに、ベースとドラムのふたりは、それに瞬時にくらいついて、ただついていくだけでなく、盛り上げたり一歩引いたり、伴奏に徹したり。
また新しいことを香津美さんが始める。
くいつくふたり。
また新しいことが。
くいつく。
また。
ひたすらそれが続いて。
まさに手を握る展開。
終わったときの客席の歓声といったら、それはすごかったです。
ジャズミュージシャンがアドリブをとる様子は、これまでに膨大に聴いて来ましたが
これだけ斬新なアイデアが次々に出てくる、泉のような感じは、ちょっとめったに経験できないほどのものでした。
モーツァルトもこんなふうだったのかなぁ…。
弾きまくる、弾き倒す、といってもテクニック的なこと以上に、アイデアの抱負さに圧倒されます。
また、ドラムソロからテーマに戻る・・・なんて場面も、これまでたくさん聴いてきましたが、太鼓を聴いているだけで、目を合わせたり、何か合図をする こともなく、まったく自然に戻れてしまう。この感じも、なかなかめったにない位の自然さと音楽的な流れでした。
ギタートリオだと、メロディとハーモニーの大部分をギター一人で担当することに
なり、仕事量が多くなるし、変化をつけるのが難しいはずなのですが、
香津美さんは、まったくそうしたことを感じさせません。
ギター一本で空間に素晴らしい絵が描かれていくかのように、メロディも、ハーモニーも、あるべきところにおさまり、 不思議な手品を見ているような。
しかし結局、3人のリズムが素晴らしかった、それに尽きるのかもしれません。
椅子に座って目を閉じて、音を聞いているだけで、自然と体が動いて、もう、何もいらない感じでした。
ライブ翌日になっても、頭のなかは香津美さんのギターでいっぱい。ぐるぐる状態。
社会復帰できてません…(泣)いつもそうなんです。
2011年1月の渡辺香津美トリオ、モーションブルー横浜ライブの記事
http://d.hatena.ne.jp/mimeyama/20110123/1295798556
2011年8月の渡辺香津美トリオ、六本木STBライブの記事
http://d.hatena.ne.jp/mimeyama/20110817/1313596067