山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

小曽根真さんのラフマニノフは凄かった

ジャズジャパンの取材で、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を小曽根さんが弾いたのを取材に行ってきました。詳細はジャズジャパンをご参照いただきたいのですが、この日の概要を少し。

パキートが加わってのモーツァルトのクラリネット協奏曲に小曽根さんも加わって演奏。2楽章はかなりジャジーに崩していましたが、1・3は原曲をかなり大事に、即興も入ってましたがクラシカルなスタイルでの即興。

東京都交響楽団と小曽根さんのピアノ、ジョシュア・タン指揮で、ラフパガ。あえて即興を入れないで楽譜どおりの演奏。想像以上にすごくて圧倒されました。管楽器奏者とのアンサンブル、弦とのアンサンブル、いろんな組み合わせのアンサンブルがドラマチックだったり美しかったり。この行ったりきたりの濃密な相互作用のあるアンサンブルが小曽根さんのジャズで培った凄いところで、それをクラシックにもってきたらすごく新鮮で面白くて説得力がありました。

最後はパキートと小曽根さんのデュオ。ショパンの幻想即興曲に、パキートのオリジナルなど。パキートの曲の最後でバッハの平均率のプレリュードが出てきて、それがしっくり来ているのが印象的でした。
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翌日になってもコンサートの余韻が頭から抜けず、ピアノでひととおり昨日のコンサートで聴いたラフマニノフやら平均律などの楽譜を出してきて譜読みして、練習して、それから復習でいろんな音源をCDで聴いたりyoutubeで聴いたり、itunesでダウンロードして聴いたり、復習しながらレポートの下書き。よくあることなんですが、ものすごく感動したコンサートの翌日ってほとんどぼ〜っとして仕事にならないんですよね。でもこういうときに復習と称してあれこれしてたことが勉強になるのでいいかな。しかし現実に戻るのがしんどいほどの演奏でした。音楽が美しすぎて涙がとまらなかったのも久しぶりです。


お疲れのところを楽屋におしかけて撮らせていただいた1枚。