山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

生・サイモンフィリップス

東京ジャズ、行かない予定でしたが、急に予定が空いたので、子どもたちをつれて野外ステージのほうに行ってきました。お目当ては、サイモン・フィリップスのワークショップ。

スネアだけを前に出して、ロールみたいなことをやっていました。

もう還暦ぐらいの年かな?
くるくるの巻き毛のセミロングに、くるくるのひげ、
スラっとしたイギリス人です。


スネア1台を前にして、サイモンがシンプルなロールを
演奏していました。

おそろしく正確な、そしてエネルギーを感じるリズム。

強弱をつけていて、シンプルなロールが
なぜか、ひきこまれてしまうんです。

そのあとに演奏してくれたドラムソロは、音数がわりと絞られた
もので、ピアニッシモで静かに終わるのが印象的でした。


普通ドラムソロって、ジャーン!! って派手に盛り上がって終わる
のにな。

野外ステージから降りてきたサイモンが、柵の近くに来たのを
狙って、息子に「握手してもらいなよ!!」と耳打ち。
他のファンに混じって、息子、握手をしてもらってきました。

熊みたいに大きくて、

熱くて、

汗でべたべたしている手だった。

と息子はいっていました。

私も握手してもらえばよかったな。


日曜日のトリを飾った上原ひろみトリオは観にいけません
でしたが、自宅に帰ってサイモンが叩いているひろみトリオ
の映像を出してきて見直してみました。


サイモンといえば、手数が多いパワフルな
イメージが先行していましたが

ワークショップでビートのエネルギーを感じたあと
なんだか、その「エネルギー」が伝わってくるようになり
演奏を聴いたときの感じ方が変わりました。

手数とかの表面的なことより、ストレートなイメージかな。
 
ワークショップのあと、ひろみトリオでのサイモンの演奏を聞きなおしてみて、手数は結局多いのかもしれないけれど、どうも、多く聞こえなくなってしまいました。整理整頓されていてグルーヴがぴしっとストレートに伝わってくる印象になって。


こういう経験のひとつひとつが自分の聞こえ方を変えていくのが
なにより面白いと感じます。



その後の野外ステージは、ピアノソロになりましたが、ぜんぜんお子様向けでなく(当然!)、

飽きた子どもたちには屋台で唐揚げやポテトを補給。

kitte の展望デッキでE7系やらはやぶさを鑑賞し大興奮。

丸ビルのコンランショップで素敵なソファにすわりリラックス。

国際フォーラム地下のピアノ即売会にはベーゼンが試弾フリーでいくつもあり、親子三人で弾きまくり。

目を離したらベーゼンのフルコンを息子が弾いていて冷や汗たらすも、弾いてよいらしく、私も弾いてみたら最高でした。調子に乗ってカプースチンを弾いていたら足を止めて聴いてくれる方もいて、嬉しくなってしまいました。子どもみたいですよね。我ながら。


何しに行ったのかよくわからないけど、よい一日でした。