山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

小曽根さんリビングルーム、ロスにはならない

小曽根さんのリビングルームからのFacebook
ライブ配信、
5月31日に終わってからの「ロス」への不安を心配する声が目に入ります。

私は、少しは寂しいと思いますが、
きっと乗り越えられる気がしています。

理由は、

ゆっくり音楽を聴く時間がないと思っていたけど、小曽根さんのライブ配信を聴くために、なんとか時間を捻出できていました。
自分のために1日1回好きな音楽を聴く時間がとれるんです。

そして、小曽根さんの演奏を毎日聴いているうちに、
以前には気づかなかったことがたくさん聞こえるようになってきました。

プロの音楽評論家でもライブは年間150回行けば多い方ではないでしょうか。私は子どもがいるので年間50回ぐらいで、自慢にもなりませんが、
小曽根さんのリビングルームを全部聴いたら、私のライブ1年分ぐらいにはなります。それだけの量を聴くと、聞こえ方は変わります。

もうひとつ、ひとり好きなアーティストを徹底的に聴くと、自分の中に軸ができます。他のアーティスト、他の楽器を聴くときに、記憶の中にある小曽根さんとの比較をしながら聴くことで、普遍的なことと、人によって違うことが見えてきます。ますます聴くのが面白くなるのです。

毎日配信を楽しみにしながら
私の心の中には、リビングルームができました。

目を閉じると、Welcome to our livingroom! という小曽根さんの声が聞こえてきます。

毎日毎日続けてくださる演奏を
楽しみにしながら聴くことで生まれた
大切なリビングルームです。

これを大切に自分で育てる、
ライブ配信のアーカイブを見直したり
好きな曲を聞き直したり
知らない曲を聴いてみたり
そんな時間を毎日大切に作っていこうと思っています。