山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

アコースティックウェザーリポート 2020年3月25日ブルーノート東京


2020年3月25日水曜日。ほとんどのショーがなくなったブルーノート東京で、予定されていたアコースティックウェザーリポートの公演。

夜8時に小池知事の不要不急外出自粛要請が夜に出たあとの9時からのセカンドショー。

9割がた客席は埋まっていました。

クリヤマコト(p) 納浩一(b) 則竹裕之(ds)
エリック・ミヤシロ(tp)本田雅人(sax)
 

ピアノトリオではありますが、ピアノは全体をリードしつつピアノだけが主役というのではなく、ドラムもベースも対等に目立って、かなりアグレッシブに、またはあえて淡々と互いに波動を送り合っている感が強く、そこが私がこのトリオが好きなところです。

バーバリーコースト。
ドナリー
ここから本田、エリックが参加。
ディープインサイト
ハヴァナ
ルシタノス
エレガントピープル

最後、アンコールはバードランド。

 
ステージに出てきた3人を見て思ったのが、12月のツアー初日、静岡の袋井で聞いたのと同じ、いつもの3人です。あのときはアットホームなカフェでしたが、今日はまさに日本一のジャズクラブ、ブルーノートの大舞台。でも、基本的には変わらない。場所がどこであっても、ステージがあってお客さんがいて、演奏を始めてしまえば、やっていることは同じなんだと感じました。聴いている私もそう。音に入り込んでしまえば場所がどこかはあまり関係ない。

本田雅人さんとエリックさんが入った曲は、本田さんからエリックさんの順にソロをまわしていました。本田雅人さんは、まず則竹さんとのコンビネーションが凄い。長年共演しているふたりなのでとにかくツーカーです。盛り上げる本田さんを支えたり煽ったりする則竹さん。そのあとのエリックさんがちょっとテンション落としてじわっと盛り上げるのが、またいい感じ。ミュートトランペットで始めてから途中でミュートを外した曲などもありました。アクティブな動きのあるフレーズで攻める本田さんに対して、エリックさんは1音1音の迫力と存在感で攻めてきた印象が強かったです。


終始感じていたことですが、とにかくグルーブが心地よかった。
ステージから届くリズムに身をゆだねて何も考えずに夢中で一緒にリズムをとっていたら1時間強、あっという間に経過してしまったという感じです。
いつも最高なんですけど
やっぱり最高でした。