山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

斎藤守也さん 第1回こどもホスピスフェスティバル

コロナ禍になる前、横浜でのイベントにも伺いましたが、今年はオンラインでのフェスティバルとして、こどもホスピスを応援するイベントが開かれました。

 

こどもホスピス。言葉の響きの重さに、最初にイベント名を聞いたとき、私はたじろぎました。子どもをふたり育てている母親として、こどもがホスピスを必要としている状況なんて聞くのもつらいし、正直いって、考えるのもしんどかった。

 

でも、そういう自分が抱える葛藤はさておき、病気の治療は家族全員の時間を奪っていくもので、いますでに病気になったお子さんの限られた時間をどうするのかはもはや待ったなし。時間がないんです。できることをひとつでも皆でやっていかなければならない。

 

ホスピスが必要な状況なんて考えるのも怖かったけれど、

イベントを通じて、自分ができることは何か考えて、

自分の子どもたちが元気でいることの奇跡を実感できる。

手に入ってしまうと、どんな奇跡でも当たり前のような感覚になってしまうけれど。

 

ひとりでも多くのメンバーで、こどもホスピスの活動を少しずつでも、支えられたらと思います。

 

斎藤守也さんが後半40分ほど演奏されていたので、拝聴。

 

となりのトトロ

さんぽ
彼こそは海賊

パプリカ

幸せなら手をたたこう

線路は続くよどこまでも

小さき花の詩

On y va !

こいいのぼり

 

アンコール:クラブイクスピアリ

 

久しぶりの子どもたち向けの楽しい曲がいっぱいの、守也さんのコンサート。

いつも思うのですが、守也さんのオンラインのライブは、スマホで画面越しに聴いていても、熱量が伝わってきます。

 

「パプリカ」がどんどん伴奏パターンが変化してヒートアップしたり

「幸せなら手をたたこう」で、手だけでなくいろいろな場所を叩いたり

 

毎回何かしら新しいアイデアを盛り込まれていて、思わず笑ってしまいます。

 

「小さき花の詩」。たくさんの哀しみも寂しさもすべて通り越して、咲いている花のように、自然に、可憐な美しさをたたえていて、心が洗われました。

 

「こいのぼり」は、ブルージーでちょっとせつないスローバージョン。

 

そして、最後の On y va! と、クラブイクスピアリ。

 

守也さんの音は、1音1音に込める真剣な想いが、本当に音として伝わってくる。

 

「想い」は誰にでもあると思うけれど、それを音に変換できるというのが、とても稀有な能力だと、いつも思う。

それを可能にしているのが、1音1音の明瞭な美しいタッチであり、歌い方であり、研ぎ澄まされたリズム感であり、立体感のあるサウンドの構築であり・・・

 

地道に完璧に積み重ねてすごく美しくなっている。その積み重ね具合に、弾き手の人柄がにじみ出て、音にも個性がにじみ出ている。そこに想いを込めているから、くっきりと伝わってくる。

 

スマホ越しでも、伝わってくる何か。聴いていると充填される何か。

感じます。

 

オンライン開催なのは寂しい気もするけれど、病気のお子さんたちやご家族はコロナでなくても会場に行くのは難しい場合が多いでしょう。オンライン開催だから聴けた方もいたでしょうから、良かったと思いました。

 

 岡江久美子さんのお嬢様、大和田美帆さんが司会をして、歌もうたわれて

この方、すごい明るくて元気・・・誰だろう、と思ったら、岡江久美子さんのお嬢様だったのですね。岡江さんが亡くなってもう1年。

 

こちらに記事がありました。

2021/04/29 | 大和田美帆オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)