山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

ディメンション 5月7日 丸の内コットンクラブ

昨年「32」をリリース、今年はデビュー30周年というディメンション。

私は1990年代からずっと聴いています。

今回はコットンクラブ。ディメンションの勝田さん増崎さん、そしてキーボードは友田ジュンさん、ベースが田中信吾さん、ドラムは則竹裕之さん。

 

いつもにも増してなんだか力強く、前に進むぞ、というような意思がビリビリ伝わってくるライブでした。

 

「ソウルジャム」マイナーコードで始まり、、メジャーにふっと行ってまたマイナーに戻る印象的なテーマ。これがとにかく格好良くて疾走感があり引き込まれます。

「ゴー・ディープ」

グルーヴ感が心地よく、そこに細かいリズムがビシバシと決まっていくのがもはや快感。立って踊りたいところですが・・・心の中で踊る!!!

 

初期の超絶技巧ナンバーの「クリケットスモーカー」、16分音符が細かい。しかも力強い。鋭い。全員がびしっとそろって鋭いリズムを決まると聴いているこちらも興奮してくる。これぞフュージョンのライブの醍醐味! 演奏が終わったら大変だった~みたいなことを勝田さんがおっしゃっていましたが、いやはや全力疾走感が最高です。超絶に決まってますよ。カッコよすぎ・・・

 

「デスティネーション」よくわからない拍子のフレーズのシンセから始まり、則竹さんが「1,2,3」と叫んで入り、その後もセクションごとにテンポや拍子ががらりと変わる壮大な物語のような曲です。拍がわからなくなってしまうのですが、そうやって翻弄されながら必死についていくのがまた、アトラクションを暗闇で進んでいくような楽しさがあります。たぶん演奏は困難なのだろうけれど、ばっちり決まっていて最高でした。

「ナイトビジョン」ミディアムバラード。スローバラードと比べて甘くなりすぎないのがディメンションの雰囲気にぴったり。大人っぽくリラックスできるサウンドなのですが、スパイスが聴いていて、スムースではないこのサウンドの感触がいいです。

 

最後は「ブライター・イン・ユア・ライフ」。これは則竹さんがディメンションの曲の中で一番好き、と以前どこかでおっしゃっていたかな。とにかく明るくて力強い。テーマのAメロディがドレミソラドの4・7抜きだから? 途中から4・7抜きどころか転調の嵐を経てサビに行って、そこでは4・7抜きじゃない普通のメジャースケールになるんですけど・・・単純な薄っぺらい明るさじゃなくて、光がまぶしいような感覚になる曲です。

 

勝田さん増崎さんは、いつ拝見しても、自分らしさを全力で表現されていて、誰がなんといおうと関係ないというか・・・何か超越した強さみたいな芯の上に構築されたゆるぎない音楽性が強烈で。毎回、生音に触れるたびに、「そう。そうなのよ」と、共感でいっぱいになり、スッキリとしたカタルシスに包まれます。

 

晋吾さんのベースは、スクェアでもそうなんだけど、伸びやかで歌心がありつつ、どしっと支えてくれる。音楽全体が伸びやかになる感じ。いつ聞いても惚れ惚れします。

 

ディメンションでの則竹さん、一番好き・・・沢山叩いてくれてカッコいいフレーズも満載で、難易度高いものからパワフルなものまで惜しげなくいろいろな表情が見られます。

 

7月にはブルーノート東京での公演が決定。そちらはデビュー30周年記念ということで、いまから楽しみです。