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山本美芽のフュージョン・ダイアリー

音楽ライター山本美芽によるジャズとフュージョンについての取材日記です。

TRIX@2010年7月12日 STB139

日本で楽しみにしていたのが、TRIXのライブに行くことでした。ライブ3日前ぐらいにSTBに予約の電話をすると、「ソールドアウトなのでキャンセル待ちですが、20人ぐらい待っているので・・・」とのこと。

2005年にはブルースアレイでやっていたのが、より広いSTBだし、平日の月曜日だし、などと考えて油断していた私はバカでした。でもこのチャンスを逃したら今度は何年後になるかわからない。とにかく6時ごろにSTBに行き、お店の方に携帯電話の番号だけ伝えて、六本木周辺をうろうろしていました。

たまたま入った青山ブックセンターで、作家の川上未映子さんのサイン会に遭遇しちゃったりして、開演の7時半に近くなり、「もうだめかなあ」と思ったらお店から電話が。「お席がご用意できました」とのことで、1曲目の途中だったのかわかりませんが、とにかく開演直後に入場できました。

ステージが進んでいくにつれて、かぶりものに、踊りに、衣装も着替え、MCもコントなんじゃないかというぐらい凝っていて面白く・・・。5年前も、もちろんこうした試みはありましたが、なんだか激しくその方向にエスカレートしていて、ちょっと度肝を抜かれましたね。いきなり5年ぶりに観たので。

須藤さんなんて私よりもずっと年上なのに、演奏もしながら、走り回り、飛び跳ねて。連日ツアーで移動しているはずなのに、その元気はいったい!? ちょっと心配になりつつも、演奏は文句なしに素晴らしい! いきいきとした生気にあふれた4人の音がびしっとひとつにまとまって流れていく、流麗というか爽快というか、聴いていてすごく気持ちがよかったです。

「Band Navigation」で、TAMAKOさんがミニスカポリスの衣装で登場しました。カーナビみたいな素敵な声で「運転お疲れ様でした」みたいな台詞を次々に入れていって、それがまた実によく曲に合っていて、独特の魅力が満開!! こういう声と曲のマッチングって、TRIXがこれまでいろいろやってきたことだと思うんですが、今回の試みは過去最高にカッコいいです。イントロのベースラインが、刑事ものドラマっぽいといいますか、スリリングな雰囲気でわくわくしました。

最後のほうには客席乱入も。目の前に窪田さんが来てキーボードを弾いてくれるじゃありませんか! 鍵盤なんてまったく見ないで、かゆいところをぼりぼりかくかのような感じできっちり4人で合うように弾いているんですから。不思議というかすごいというか面白いというか。わざわざ来た甲斐があったというか。

こんなに笑い転げたのは久しぶり。演奏もすばらしいし、存分に楽しめたライブでした。欲を言えば、超絶技巧フュージョンバンドな面をもう少し堪能したかったかなあ。そこまでやるか!? 的な難しくてキャッチー名曲が、もうちょっとてんこもりだと、さらにうれしかったかも。

アンコールでやってくれた「ゴクロウサン」は、ラップバージョンでちょっと雰囲気が変わっていましたが、「ごーくろうさーん」というサビの部分、いつもながら聴いていてしみじみしました。名曲ですね。

2005年にライブにいったときの記録はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/mimeyama+writer/20050624
このときはブルースアレイで、今回はSTBですから、確実に集客力は上がってますね。すごい、TRIX!

最新アルバムは「Fever」。当たり前かもしれませんが、ライブよりもアルバムのほうが、スリリングに楽しませる超絶技巧バンドって感じが強いですね。

FEVER

FEVER