山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

ディメンション@STB139 2011年10月31日

ちょっとご報告が遅くなりましたが…
新しいアルバム「24」発売直前のツアー初日?? ディメンションを聴きに行って来ました。

この日は初日というよりは、ツアーの前の別のライブという位置づけだった模様で、そのため、ツアーでは演奏する曲も違うという話でした。



とはいえ、多少のネタバレ的なことにもなりかねません。



これからツアーに行かれるので知りたくない方は、ご覧にならないでください。









ということで改行!!!





DIMENSION

増崎隆司(ギター)
勝田一樹(サックス)
小野塚晃(キーボード)

サポート

川崎哲平(ベース)
則竹裕之(ドラムス)






1曲目は「After the rainbow」から、華やかにスタート。

新しいアルバムからは3曲ぐらいでしたか。打ち込みを流しながらそれにあわせて演奏する曲がありました。「The winds of Change」だったかな? 「全部5人で演奏」というときとは違い、打ち込みと共演という感じで、プレイヤーのみなさんが全体的に演奏する音数を減らしていたような? 音の全体のバランスが違った形になっていました。

11月には初のバンドスコアも発売ということで、バンドスコアからの曲も演奏されました。「Se.Le.Ne」や「BEAT#5」…不思議なくらい、微塵も、古さというのが感じられなくて、まさに名曲です。

9枚目のアルバムに入っていた「One and three」とか、11thの「Moment」、終盤には「Jungle Dancer」といった中期のなつかしのナンバーも演奏されました。曲のコード進行といいメロディといい、これぞディメンションといったクールな演奏でした。

最近のディメンションが誇るバラード「Story」。勝田さんのサックスが、ふわっと包み込むような優しい感触で始まるんだけど、だんだん力強くなって、増崎さんのギターへとバトンタッチ。さらにギターとサックスでハモり、歌い上げるのが、なんともいえないカタルシスを誘います。

アンコールで演奏された「Jazz Cigarette」が…スイングのリズムで新アレンジになっていて、ちょっと意表を突かれました。やってくれますね!

小野塚さんと終演後に少しお話できたのですが、ディメンションでは生ピアノは最近使わないでシンセに専念しているということでした。「そのほうがいいかなと」…確かにそう思いました。シンセを爆音にして両手いっぱいに和音を「じゃん!」と裏裏で、ドラムやベースともばしっと合わせて決める瞬間が実に爽快で、これよ、これ!! というスカッとした後味が。シンセの魅力を極めたところにディメンションらしさがやはりあるのではないかと。

ディメンションは、6thまでに入っている曲、6thから13thまでの曲、それ以降、といった形でなんとなく私自身は分けています。今回、13thまでの曲がけっこう多くて、それと新しいアルバムの曲や去年のアルバムなど最近の曲が、とてもうまく噛み合って、歴史のあるディメンションというバンドの最新の姿が充実して浮かび上がっていました。

ドラムとベースのリズムセクションも、これまでも非常になじんでいたのですけれど、さらになじんでバンドとして一体化した感じがありました。1年ほど前に帰国してからディメンションのライブに再び行くようになり、「青木さんがいない」という一抹の寂しさをいつも忘れることができませんでしたが、この日、初めて、川崎さんの演奏を聴いていても、寂しさはもう浮かんできませんでした。心からそう感じて、ベースラインを安心しきって聴いていました。

ドラムの則竹さん、スクェアで長年叩いて、スクェアでの仕事が終わってカシオペアにツインドラムで入って、カシオペアがなくなって、ディメンションのサポートをはじめてすでに2年ほど? 結果論かもしれないけれど、日本のフュージョン・バンド総ざらえ的な歩みになっているんですね。スクェアでもカシオペアでも素晴らしかったけれど、ディメンションのテクニカルなところ、繊細なところ、爆発的なパワーのあるところ、力強いところ、お洒落でクールなところ、どれも本当に則竹さんらしさを存分に発揮できる舞台で、聴き応えがありました。

ひとつのバンド、同じミュージシャンを追いかけて長く聴いていると、音楽家自身にもいろいろな時期、たくさんの引き出しがあるわけですが、聴く側にも「あのとき聴いたあの曲」「あのライブで盛り上がったな」という思い出を重ねながら、いまの自分といまのステージをさらに感じ取るという面白さがあります。だからといって懐かしいだけで終わってもつまらない。新しい部分もちゃんとある。言うのは簡単だけど実行するのは本当に困難を極める難しいことで、それをやってのけているディメンションは、本当にいま最も旬なバンドだと感じています。


いまちょうど全国をツアー中。東京に最後にもう一度戻ってきてくれるそうです。

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