山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

小野塚さんディメンションを退団

小野塚晃さんがディメンションを退団、
寂しいけど、昨年のソロ「天空の楽園」の
クオリティを考えると、それもありかなと思います。
才能あふれる勝田、増崎、小野塚のお三方だから
また違う環境で、新たな面を見せてくださるでしょう。

でも、寂しいなぁ、、

ディメンション年末ライブ1日目

12月28日、夜8時.横須賀から目黒に移動して

ディメンションの年末ライブ行って来ました。

3日間の初日だから、お酒も飲まずキッチリ、

ほぼライブ定番曲でしたね。

ダブルマーケットはライブ定番じゃなかったけど

秋のヒストリックライブで久しぶりに演奏してから「やっぱりいいね」となったのかなと。すごい高いサックスから入るので、それが大変と言いつつ、決まりましたね。

1曲演奏するごとに勝田さんと小野塚さんの楽しすぎるトークも入ります。安定のクオリティと楽しさでした。

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斎藤守也 ひきおさめライブ 横須賀ヤンガーザンイエスタデイ

今年も行ってきました。35曲ぐらい?

1時スタート.45分ステージを4回、終わったら5時過ぎ、

ピアノソロで、

去年4時半終演でも驚いたのに、、なんというスタミナ。

脱力奏法あってのことなのかもしれませんが。

ステージで完全燃焼して聴かせてくれる音、理屈抜きに感動します。

 

On y va! は華やかなカデンツァ風アルペジオから入り、最後のサビ、前テンポ落としてからアッチェレランドバージョン。

彼こそは海賊は、ソロバージョン ミュートあり。

お馴染みのナンバーにもこんな細かい仕掛けがしてあって、楽しい。

 

今回はロックなアレンジが印象的。

「風」が「いとまき」パターンや「静かな湖畔」のパターン? のロックバージョン。

「FLOW 」がずいぶんフォルテで始まったと思ったら左手がロックな伴奏に。途中でバラードからアップテンポに切り替わる部分はアルバムと同じ繊細キラキラなアレンジ。そこから左手がアルペジオではなくリズムパターンの繰り返しになってどんどんビートが強力に出てきました。

個人的な話ですが、私、FLOW を1年ががりで練習、暗譜して年末にステージで弾きました。その翌々日に作曲家ご本人の新しいバージョンを聴いたため、かなりぶち壊した感覚で、聴いた瞬間はちょっとショックを受けましたが、聴いているうちに曲の骨組みや核心に触れた感覚も。なかなかできない経験です。後日、じわじわと、面白かったという余韻が強まりました。真似してロックバージョン、やってみたいです。ひとつのメロディ、楽曲には、いろいろな可能性が秘められているんですね。

 

新曲「カムバック」。10代のころルクセンブルクで演奏した曲だそうです。ロックな曲に時々入っているクラシカルな16分音符、みたいな16分音符がカッコ良かった! 弾いてみたいです。

 

いま私のマイブームが和声感とリズムなので、その観点からも、ついつい聴いていましたが、やはり、素晴らしい。

引き続き、聴いていきたいと思います。

 

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ティグラン・ハマシアンのピアノソロ

以前から気になっていたアルメニア出身のピアニスト、ティグラン・ハマシアン。スタイルをとってますがアルバム「太古の観察者」はロックと民族音楽のテイストを入れた幻想的でシンプルで力強いスタイルのピアノソロ。カホンも入っていますが。

Instagramで、ティグラン・ハマシアンのタグをフォローしているのですが、世界中で彼の曲を練習している人の多いこと。楽譜はまだそんなにたくさん出ていませんが、YouTubeに採譜したものがあるので、スクリーンショットで撮ってiPadで見ながら練習してみました。

ディグラン・ハマシアンの「Fides tua」YouTube に楽譜があったので弾いてみました。シンプルなんだけど、吸い込まれそうな奥深さ。ソを弾くだけでなぜ、こんなにトリップできるの? #tigranhamasyan #fidestua #pianosolo #piano #mimeyamamoto #mimewriting #japan #petrof

 

これはいきなり初見で練習を始めて20分位で撮ったので、譜読みはそれほど時間がかからないのかなと思います。シンプルな音の組み合わせからピアノの響きを引き出す天才的な才能を感じました。

 

そういう作曲家の作品は、弾いているとやめられなくなる。

ティグランはまだ32歳。ジャズピアニストというくくりになると思いますが、こうしたアーティストのピアノソロ作品というのがこれからクラシックでピアノ弾いている学習者のレパートリーとしてもとても大事なものになってくるかなと思っています。

 

 

太古の観察者

太古の観察者

 

 



これまで私が練習してきた斎藤守也さんのソロもそうですが、広くピアノソロで弾ける、複雑すぎずみんなが取り組めて新しい魅力的な作品というのを、まず自分が弾いて、皆さんにご紹介していきたいなと思っています。

 

アコースティックウェザーリポート 袋井マムゼル

12月10日、アコースティックウェザーリポートのツアー初日に行ってきました。f:id:mimeyama:20191213082811j:image
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ジャズジャパンでインタビューした2枚目、最高の音。絶対生で聴きたい、3月のブルーノート東京まで
待てません。袋井マムゼルへ。

新しいアルバムと1枚目から、そして新曲も。

3人のリズムがとにかく繊細でエネルギーに満ちていて気持ちいい。

フルパワーで則竹裕之さんが叩いてもピアノのクリヤマコトさん負けない存在感と厚み。

ウッドベースの概念を変えてしまうファンキーで味があってシャープな納さんのベース。

ドナリーのメロディラインをウッドベース、もう、凄すぎて。ただの超絶技巧じゃなくて、音のうねりや響きに釘付けです。

音でやりとりしながらじわじわとテンションが高まって。

今夜は名古屋、明日は大阪、

毎日こうして演奏しながら演奏が生き物のように進化していくのでしょうね。

毎日追いかけて全部聴いてみたくなってしまった。

お店のドラムセットで叩く則竹さんを聴くのは久しぶりでしたが、完全に芯まで則竹さんの音。

ピアノトリオで一番ダイナミクスがつけられる楽器は多分ドラムなんですね。ここぞというときの爆発力がもう最高でした。

 

アコースティック・ウェザー・リポート2

アコースティック・ウェザー・リポート2

 
アコースティック・ウェザー・リポート(SACD HYBRID)

アコースティック・ウェザー・リポート(SACD HYBRID)

 

 

YouTube で余韻に浸っています。

 

ジャズジャパン掲載のインタビューもご覧下さい。

私が書いてます。

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.112

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.112

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: シンコーミュージック
  • 発売日: 2019/11/25
  • メディア: 雑誌
 

 

https://youtu.be/66J14Fw4nak

 

 

レ・フレール ノエル・ド・キャトルマン品川教会

12月5日のマチネ公演へ。

ツアー中なので詳細は控えますが。

 

やはりクリスマスの曲たちがステキでした。

リズムが生き生きしていて

タッチが輝かしい。

胸が躍るような、温かい気持ちになるような。

 

内部奏法が大丈夫なスタインウェイなので

内部奏法ありの曲、

「イーグル」は5度の響きが

「サムライファンキー」はグルーヴ感が

たまらない。

 

守也さんソロの新曲「風花」は、高音域を使ったキラキラした音が、胸のつかえを溶かしてくれるかのよう。きれいなのだけど、それだけじゃなくて、心に残る、聞いたことのない感じの曲。

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For Kids 良かった。響きがしっくりきてました。

 

シンプルなクリスマスの曲やディズニーの曲を

奇をてらわず、でも新鮮に楽しく聴かせるレ・フレールの手腕、すごいなと毎回思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

古川初穂ピアノトリオ 本厚木キャビン

初穂さんのピアノトリオを本厚木キャビンで聞いてきました。

則竹須藤のリズムセクションだからとにかく行かなきゃと行きましたが

初穂さんの新曲が4曲? 

美しくて繊細で、しかもわかりやすくて

ロックな骨太さもチラッとあり

プログレチックな難しいリズムのユニゾンもあって聞き応えがありました。

どの曲もソロがめちゃくちゃ盛り上がってトリオで疾走するんです。

あの気持ち良さといったら。

 

則竹須藤のお2人が馳せ参じるのも納得。

ジャズのピアノトリオは、ウッドベースなのかエレキベースなのか、そこで音楽性が分かれるところですが、エレキベースはシャープで細かいフレーズを演奏するのに適していますね。初穂さんはプログレとかロックの要素を含んでいるので、やはりエレキベースなんだなと。

ノリストコンビの2人というと、反射的に行かなきゃと思ってしまう。それは、この2人が一緒に演奏するときの強力な波動が毎回ものすごくて。スクエア在籍時には10何年ずっと一緒に演奏されていたわけですから。一緒に音を出しているだけで、その説得力とパワーたるや。ライブで聴いて「これって何なの? すご過ぎる」と感動しなかったことが一度もない。

 

私の中ではお2人が束になって演奏しているイメージが強いのですけれども、今回は、それぞれ自由に違うことをやっていながら実はピタッと合っているような感じ。トリオのすごく密度が濃くて3つの違う世界が合わさって1つになったり3つの色が見えたりするような時間でした。

 

初穂さんは、とらえどころがあるようなないような、でも演奏を聴くと必ず引き込まれてしまう。64歳になりましたとおっしゃっていました。いかにもテクニックがある的なひけらかし的なわざとらしいことを全くしない。淡々と弾いています。ものすごく繊細で響きが豊かで美しくて、力強くてびっくりするような展開があって。あらゆる意味で演奏は完璧。アイデアのひとつひとつがどこかから持ってきたような感じが全くなくて今生まれたばかりのように新鮮。誰にも似ていない不思議なピアニストです。

 

f:id:mimeyama:20191204084946j:imageフライヤーなどの写真を撮り忘れてしまったのでお酒とおつまみの写真しかありませんが…雰囲気だけでも。

 

則竹さんは、明るい茶色の木目のサカエのセット。穴あきシンバルもありました。

 

あまりにご機嫌で

たくさんお酒を飲んでしまい

セットリスト怪しいですが

 

アリエル

ビートルズの何だったかな、、

 

 

いきものかがりの「ありがとう」

ドラえもんの歌

 

とあったあたりです。


いわゆる歌ものをジャズにする類の演奏は私はアルバムレビューの仕事で果てしない量、たくさん聞いています。その上で、初穂さんのこのアレンジ、展開の素晴らしさは本当に唸ります。原曲のイメージはそのままに、微妙に新鮮に感じるようにメロディーラインをいじる。リハーモナイズしてると思うのですが、これがいかにもハーモニーかっこいいのに変えてみました的なわざとらしさは全くなく、自然な美しい流れで、でもやっぱり原曲よりもっと素敵にジャズっぽく絶妙な落としどころになっている。

森山良子さんといった重鎮ミュージシャンの方が共演ミュージシャンとして初穂さんを手放さない、それはそうだろうなとしみじみ思った次第です。

 

yo・ka・・n…

yo・ka・・n…

 
かげろう

かげろう

 
おくにうた

おくにうた

 

 

 

初穂さんはFacebookに次のアルバムも間近かな、みたいなことをお書きになっていたので期待したいところです。