山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

小曽根さんとショパン

「ショパン」掲載の2008年小曽根真インタビュー。

インタビュアーは伊熊よし子さん。こちらもクラシックのピアノ評論界の重鎮です。

2006年に、ワルシャワのショパン・フェスティバルに参加してモーツァルトのピアノ協奏曲「ジュノム」を弾いたとあります。そして後半はパキート・デリヴェラとショパンの作品をモチーフに即興演奏をしたとか。

最新アルバムではショパンをとりあげている小曽根さん、このころからこつこつとショパンにアプローチしていたんですね。

「ピアノという楽器をもっともっと極め、ピアニストとして上達したいと願う、征服欲が感じられます。もちろん僕ももっとうまくなりたい、もっと上を目指したいと毎日考えているわけですから、その征服欲というのがすごくよく理解できる」(インタビュー本文より)

確かに、小曽根さんのここ10年ほどのクラシックへの征服欲というのはすごいかも。ノンレガートのジャズの超絶技巧を誰よりも完璧に獲得して、それからレガートで弾くクラシックの奏法をマスターしようというのが、そもそも昔ではありえなかった発想で、現実的じゃないぐらい大変なことなのに、やってのけちゃうんですからね、小曽根さん。

ジャズの人がバッハを弾くのは多いけれど、おそらくショパンって、いちばんジャズからは遠いポジションにある作曲家だと思うんです。それにしても、いったい、どうやってジャズの弾き方とクラシックの弾き方を切り替えてるんでしょうか。それが一番質問してみたいなあ。


ロード・トゥ・ショパン

ロード・トゥ・ショパン