山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

渡辺香津美 ブルーノート東京

昨夜はブルーノート東京。則竹裕之さんの追っかけで
渡辺香津美さんを聴いてきました。ベースは川村竜さん。

 

あーなんかすごく久しぶり!目の前で繰り広げられるやりとりを目撃するこの感覚。久しぶり。もっとライブに行きたい。どんどん行きたい… .

 

個人的には最後のマンハッタン・フルー・ダンスが、好きな曲なのでうれしかったです。f:id:mimeyama:20220304090934j:imagef:id:mimeyama:20220304090937j:image

 

 

Trio the TRIX 本厚木キャビン 2021年2月13日


雨の中、本厚木キャビンでTrio the TRIXへ

かぶりものや振り付けのステージングが大人気の彼らですが、今日は完全に音で遊ぶセッション。

がっつり本気で格好良く熱く演奏してくれつつ、、

佐々木さんがシンセベースを導入。
須藤さんがベースをメロディみたいに弾くあいだシンべでベースラインを弾く
佐々木さん。しかし途中、ベースをその場で録音して流せるルーパー? に任せて須藤さんもシンセベースを演奏。さらに熊谷さんもシンセベースでソロをとり音域高くなりベースっていうかシンセ?その間、須藤さんがドラム。

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何を書いているかわからないですよね。やっぱりライブは現場に行かないと!

高木里代子さんインタビュー

今発売中のジャズジャパン。高木里代子さんの表紙、f:id:mimeyama:20220128201338j:imagef:id:mimeyama:20220128201342j:image
背表紙にある「既成概念に収まりきらない今の時代にふさわしい才能」とあるんですが、何か聞いたようなフレーズだなぁと思ったら私の原稿の中から編集長が抜き出して大々的にフィーチャーしてくださっていました。
インタビュー原稿まとめながらさらっと書いたフレーズなんですが、もしかしたら私にはちょっと才能があるのかもしれません…、笑

こうやって文章の中から使えそうなものをタイトルにする技としてご紹介します。

あと高木さんはJ専出身なので、その話もちらっと書いています。

本屋さんで見たらぜひご覧ください。

斎藤守也 「Your STORIES」名古屋公演1/14、大阪公演1/15 1時~/5時~

名古屋と大阪で斎藤守也さんの「STORIES」楽譜集、発売記念ライブとなる「Your STORIES」が行われました。2020年5月に発売された守也さんのソロアルバム「STORIES」に収録曲をすべて書き起こした楽譜集。ちょうど去年の今頃、1月に校正をお手伝いもさせていただき、私にとっては大切な作品のぎっしりと詰まった楽譜です。それらの曲を作られた斎藤守也さんが楽譜に収録されたオリジナル曲を演奏するライブ。

5月に予定されていたけれど1月に延期になっていました。半年以上待ってようやく迎えたこの日。

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まずは名古屋ボトムラインのBLカフェ。ここはヤマハのピアノが置いてあるライブハウス。守也さんがピアニッシモで〈カルーセル〉の演奏を始めたら、上の階から同時に始まった別のライブのドラムのキックの音にベースの音が筒抜け。ちょっと聴こえるとかではなく。あとで聞いたところによると、それまで一度もそんなことがなかったのだそうです。

私はあまり気にしないで演奏に集中していました。

日頃、子ども達がドタバタうるさいところで練習してますから。

 

「いつかの空」「COLZA」と続きます。ボリュームあがる箇所は気になりませんが、音量が下がるとドラムのキックが全然違うテンポで聴こえてきます。

ちょっと気になるか、、、

守也さんも、MCで、気になるよね・・・アレンジ変えちゃおうかという話をしつつもライブを進め、静かな曲「フォトアルバム」で、ついに途中でロックバージョンに。さっきMCのときに「変えちゃおうかな」とか話しながらふっと言葉が途切れた時にアレンジを考えていたのかもしれません。その場でアレンジ変更、大変だったと思いますが、聴いている側はそれはもう貴重な場面に遭遇、手に汗握る展開でした。他の曲も全体的に激し目のアレンジや解釈に。

 

「CITY BLUE」に続く「IN THE RAIN」は、アルバムだと普通の雨で途中降り方が強くなるぐらいのイメージでしたが、台風並みの土砂降りな感じ。マスクを着用しての大熱演…。その土砂降りから、さらにSTORIESの終盤の大曲、SHINRAとBANDIDO-踊る影-に突入。この2曲は低音をガンガンに慣らすのでドラムの音も聞こないぐらいのパワー。守也さんの1曲通して左足はビートを刻んでいます。4つ打ちのときが多いけれど、時々細かく8つ踏んでいたりして、まるでドラマーがハイハットを踏んでいるかのよう。SHINRAは立ち上がって踊りたくなるような、そして後半はコーラスをしたくなるような高揚感。BANDIDOは楽譜には書かれていない即興を織り交ぜて、それはもう緊迫感があってドラマチックでした。

アクシデントのあったライブにはよくあることですけど、一体感があってもう白熱して大満足。充実感たっぷりに帰ろうとしたら守也さんがお見送りをしてくださって。感激でした。

私はこの日は朝早かったので名古屋に泊まり、翌日の午前中に大阪に移動。f:id:mimeyama:20220120205520j:image
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そして昼の1時からと5時から、カワイ梅田のコンサートサロン「ジュエ」で再びコンサート。まだ1日もたっていないのにまた守也さんのソロライブって・・・贅沢すぎますね。私は両方とも聴かせていただきました。

カワイ梅田のコンサートサロン「ジュエ」はシゲルカワイがある素晴らしい空間。
繊細で静かな曲目の美しさ。「花灯り」言葉にできない弱音がさざなみのように。低音を響かせる曲では聞いたことのないような鳴り。

1stではノスタルジー、2nd ではOROSHIを弾いてくださいました。ノスタルジーの夢見るような現実離れ感に浸る時間はたたもう幸せ。OROSHIのビートを久しぶりに聴きましたが、ああこれは、SHINRAにも通じる世界。

In the Rain は昨日にも増して、シゲルの弦の共鳴がものすごい。SHINRAからBANDIDOのグルーヴ感、、、シゲルで聴くとまた音色の変化がカラフルで、音圧が体にビリビリきます。スピーカーがないピアノのコンサートでこういうのはあまり普段ないかも。アンコールでのひとりレ・フレールは圧巻。キャトルマンのテーマにOn y va! に…アップテンポで弾いて弾いて弾きまくって。ああ、これ、横須賀のヤンガーザンイエスタデイの忘年会ライブの最後にこんな感じで弾いてる。忘年会モードじゃなくて新年会モードですね。マスクしたまま激しい曲をぶっ続けにいったい何曲・・・酸素は? 朦朧としてない?大丈夫? と心配になるほどの熱演のあと、さらにふり絞るようにしてぶっ飛ばすBoogie back to YOKOSUKA イーブンソロバージョンへ。長年弾き倒してるこの曲が、限界寸前に見える状況でもバチッと決まる凄み。いやはや盛り上がる。圧倒される。すごい音圧。これぞライブ。終わった瞬間、スタンディングオベーションで割れるような拍手が起こりました。守也さんが袖に引っ込むと「すごい、、、!!!」ため息が一斉に。
マスクしてましたからね、、、それで足もずっとストンプ。
その状況で。本当にため息のでるような凄まじい演奏。

1st より2ndのほうがしんどいはずなのに、どんどん調子を上げる様子は、マラソン選手の35キロ地点からのスパートを彷彿させます。

 

昨日名古屋で7時から 今日1時からと5時から

24時間のうちに3回斎藤守也さんの濃すぎるライブを聴いたことになる。

こんな24時間かつてない、、、、

膝に乗せたかばんを持って聴いていたのだけれど、かばんの生地がピアノの音でずっとビリビリずっと振動してた感覚が、まだ指先に残っています。

 

換気のためのトークコーナーが毎回あって、そこでお客様からの質問を受けてひとりひとりと対話されていたのも、とても聴いていて興味深かったです。作曲するときに何を考えているのかという質問が名古屋でも大阪でも出て、つまり、表題音楽的に、ストーリーが先にあって描写しようとして…そのもとの話がある?とリスナーは考えやすいけれど、作曲モードになると、そういう話がどうのこうのではなく、音の1粒ずつが次どこに行くか、次は何と何が来るか、その連続の作業になっていく、というようなことなんだろうな・・・と私なりに解釈しながら聞いていました。

我が子を留学させていいのかどうかという相談や、留学するときに何を考えてどんな気持ちだったか、それから音楽で食べていけるという確信はいつからだったのか、といった質問も。皆が抱える不安で守也さんも通ってきた事柄について、本音を聞くことでヒントが欲しいといったところでしょうか。答えていくざっくばらんな言葉の端々から鋭い感性と真摯な姿勢が伝わってきます。

 

守也さんが弾いて鳴った音と振動が充満する空間。びりびりと震える感覚。そして息をひそめて耳を澄ます、響きあう弦と弦がつくる音の渦。流れゆく旋律、鼓動のように脈打つビート。あふれる音、押し寄せる音に包まれていた時間の記憶。2days連続はあっても、2日間に3ステージというのは、コロナ禍ゆえの特殊なシチュエーションかもしれません。

 

そして大阪から帰った翌日にはもうまん防が目前というコロナ状況。そんなぎりぎりの状況下で、リスナーとミュージシャンがライブというわずかな時間にエネルギーを激しく燃やした鮮烈な記憶が、これからの日々の支えになってくれる気がします。

 

ライブ後に、歩いてホテルに移動しながら

脳内BGM「CITY BLUE」

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翌朝、大阪のホテルの窓から

脳内BGM

「いつかの空」
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レ・フレール 逗子マリーナ 2022.1.8 「配信)

1/8(土)大塚商会presents SHONAN JAZZ BY THE SEA in RIVIERA ZUSHI MARINA

 

逗子マリーナのレ・フレールの配信をアーカイブで拝聴。

 

後半、マスカラードのソロで圭土さんがブギウギで爆速で弾いてからなんだか盛り上がり、守也さんもめちゃくちゃ楽しそう。思い切り弾きまくり感が伝わってきてすごく楽しめました。

 

Cross第二番のメロディ、守也さんは優しく柔らかく、途中圭土さんが弾くところはキラキラ輝いていて。素敵でした。

 

ピアノに座ったところから左手後方にある手元アップカメラが演奏の振動で
ぐわんぐわん揺れて絵が使えないぐらいなのが臨場感ありすぎて、楽しかったです。
静かな部分だと揺れないんだけど

一度あのカメラの場所で
聴いてみたいなぁ。

 

 

 

斎藤守也 忘年会ライブ 2021年12月27日

23日の吉田兄弟、24日のクリスマス神楽坂ザグリーに続き、27日は横須賀のヤンガーザンイエスタデイで斎藤守也さんの忘年会ライブ。

年の瀬に主婦がこれだけ連続ライブに出かけるのは一筋縄ではいかない苦労がありましたが・・・行って良かった。

そもそも3月のカワイ横浜から有観客のライブが何度も中止になっていて、ものすごく久しぶりの守也さんソロライブでした。

 

横須賀中央に来るのも2年ぶりです。

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冒頭は、和風なアルペジオ・・・あれ? 

吉田兄弟とのコラボアルバム収録の「しぐれ~夢」のイントロでしょ。お正月っぽい。あっピアノのところにかかってるリースはクリスマスでなくしめ縄なのね・・・

 

 

そこからM1 SHINRAへ。キターーーー―――――――――!!的な格好良さ。

あれ?イーグルのメロディが挟まっている・・・

イーグルはミソラシレミが原曲ですが、ドミ♭ファソシ♭ドの調に移調して合体しているんですね。

ドミ♭ファソシ♭ドの音階つながりという親戚みたいな曲だったのか・・・なるほど・・・左足でがしがしとストンプしながら弾くリズム感が最高です。

続いてM2 On y va! あれ・・・サビでテンポが落ちた。ゆっくりからアッチェレランドする「静かな湖畔」的なアレンジです。なるほどこれは盛り上がるなぁ・・・でも最後のテンポが凄まじく速くてこれは簡単にまねできないな。

M3 FLOW 「ソロライブ久々なのでこれだけはアレンジ変えないでやる」とのこと。YTYの潮見さんがこの曲がお好きだということでYTYでは必ず?演奏されています。しっとりと始まりドラマチックに展開する美しい曲。気づいたこと。ペダル踏みっぱなしの時間が長い。4小節とかもっと、8小節ぐらい踏みかえをしていない。サビのハーモニーが変わるところは毎小節のところもありましたが・・・クラシックのホールなどに比べると残響時間も短いですし、これぐらいしっかり踏みっぱなしなのかと驚き。もちろん濁りはなくとてもきれいでした。

M4 UZU これもミステリアスな曲で素敵なんです。メロディーの合いの手で左手がミファミファミファ~とやっているときにペダル踏んでた・・・ような。なるほど・・・

M5 水面 マイナスイオン出ないバージョンというかロックなアレンジですね。譜面としてはほぼアルバムのマイナスイオン出るバージョンと変わってない。テンポとタッチとフィーリングを変えたら全然まったく別の曲みたいになってしまう。解釈って面白いな・・・よく、守也さんが左手のエチュードのお仕事の際に「~にしても面白いと思います」とお話くださって、それは楽譜の解説に書いてあるんですが、こういうことなんだなと今更噛みしめる。

 

 

Ⅿ6 ア・バルセロナ バルセロナの思い出の曲だそうで、On y va!と同じころ、18,19歳のころに作った曲だそうです。同じリフがずっと続く。これでもかと。「繰り返すうちにテンションが上がる」感が欲しいんでしょうね。共感します。

Ⅿ7 カタルーニャの風  これはバルセロナの曲ですね。うん、かっこいい!!スペインな感じ。

そして新作。

Ⅿ8 Move on はマリンバのための委嘱作品を作ってピアノバージョンで披露。なんかけっこうロックな感じでマリンバでこういうのありなんだ? ちょっと驚き。

Ⅿ9 転々 ソロバージョン。吉田兄弟コラボに収録。この曲すごく好きで、三味線がとてもはまっていて、でもソロではやらないのかなと思っていたので聴けて嬉しかった。三味線が素敵すぎて、ピアノで聴いたときにどう感じるか、物足りなさを感じたらどうしようと無意識に不安に思っていた。でも、すごく自然。ピアノの音はやはり三味線よりも柔らかくて響きがある。そして守也さんの音はあたたかくて柔らかい。この音で聴く転々もすごくいい。

Ⅿ10 しぐれ~夢 ソロバージョン。23日に良一郎さんとデュエットしていた曲。これも本番で弾きこんでいたからソロバージョンといってもすんなり出てくるんでしょうか。吉田兄弟とのコラボ曲は、どれもドラマチックで美しくて素敵なんです。

 

後半はメドレー。

トップギア 左手が超絶ハードなパターン。ど迫力

いつかの空 左手がロックバージョン

シャイン サビだけ。しかもロックバージョン。えええこの曲そっちにいくのありなの!?

CITY BLUE ズンタタで伴奏。

一本道 これはオニヴァのパターンで伴奏。

Ocean たぶん普通アレンジ

踊り子 たぶん普通アレンジ

大風車輪 超絶疲れる系パワフルパターン。おおおおこの左手は・・・すごい大変。でもビートが出てる

RGR あっ久しぶり。キュートで人懐っこいですね

フォローミー ノリノリですが軽やか

Gサイン グルーヴ感満点

 

最後はBBTYソロバージョン。あれ。イーブンになってる??

30分ほどノンストップで、手拍子するのもなかなか大変です(汗)

すごいなぁ・・・ライブハウスならではの展開でしょうかね。

アンコールはお正月、喜びの歌、ほたるの光をブギウギスタイルで。

 

弾いて弾いて弾きまくって・・・ようやくオリジナルをたっぷり聴けました。もっとソロ聴きたいんだけどレ・フレールのご活動もありますしね。

 

本当にアイデアが豊富で

ノリや盛り上がり、爆発的なパワーがいいなと思う。

1曲ごとに雰囲気を変えるのもいいけど、後半怒涛のように盛り上がり曲を変化をつけつつ続けるのは、とてもカタルシスがあっていい。私の好きな展開。

 

3日間でこれだけ弾きまくる姿。ほとんど違う曲。同じ曲でも違うバージョン。プロの底力を目の当たりにして凄みを感じました。

 

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この12月は5回も守也さんのコンサートがありました、、幸せだったな。しかも自分の発表会で守也さんの曲を弾いたし。濃かった、、、