朝から日経モーニングプラスという経済番組で生演奏で出演の小曽根真さん。
モーツァルトを弾き始めたとき、
「左手が、動かなかった。例えばモーツァルトによく出てくるドソミソが、最初弾けなかった。そのかわりジャズでよく出てくるブンチャ、ブンチャみたいなのは弾けたんですが。それからいろんなクラシックの曲に挑戦していくことによって、だんだん指が動くようになってきた」
とのこと。
ジャズピアニストの中でも最高峰のテクニックの持ち主であることは、誰もが認めるところなのに、なんと謙虚なご発言。
動かないとはいっても、はたから見たら凄く動いていたに違いありませんが、慣れない動きにやりにくさを感じた、ということなんでしょう。
これは、子どもたちにどんなピアノ教本を与えたら良いのか考えるにあたって、示唆に富む話です。
最近のピアノ教本は、ドソミソ、すなわち
アルベルティバスがバイエルよりも少なめだから
指が動かない場合があります、そこは足していきましょう、とお話ししていますが、それを裏づけるようなお話しでした。
ジャズピアニストとして、クラシックを経験してすることで、左手の動きの引き出しが大幅に増え、表現力が増すメリットがあったと思われます。
とはいえ、子どもの頃ピアノレッスンに行ってドソミソが訓練できるバイエルを与えられた小曽根さんは、大嫌いで、バイエルは捨ててしまい、ピアノもやめてしまいました。
中学生ごろから、またピアノをはじめるのですが。
ドソミソの入ったバイエルをやらせておけば良いわけでもなく。
ジャズを極めた小曽根さんの言葉、重く受け止めたいです。