山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

斎藤守也ピアノライブ 第3回子どもの命と向き合う チャリティコンサート

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冷たい雨のなか、横浜まで斎藤守也さんのチャリティコンサートへ。

 

子どもホスピス建設のためのイベントです。

昨年は、聞く勇気がなくて来れなかった。

今年は、なんとなく、大丈夫な気がして。

前半は細谷亮太先生のライブトーク。

 

病気のお子さん達を治療されてきた思い。「小児科は儲からない」と繰り返していました。確かに。いまグローバル化で支える側も余裕がない。だから切り捨てられやすい、、、

 

でも、病気とたたかう子ども達を見ると、生きるって何か、私は、とても本質的なことを考えました。

 

講演の途中で、残された時間が少ないとき、楽しい時間を過ごしたい、自分らしく過ごしたい、という思いで透析を拒んで亡くなった18歳の女性の動画を見ました。

 

それって、最後が見えていなくても、もっと大事なことじゃないのかな。

 

生きるって 何なのかな。

 

仕事に勉強に追われて頑張るのも幸せなことかもしれないけど

 

自分らしく過ごすのが人生最後だけなのは違うと思う。

 

生まれから闘病だけで過ごして亡くなるお子さんのことを思うと、私は、何十人分?もの夢をすでにもらってしまったのかもしれない。

なんだか申し訳ない。

 

できることは、やりたいな。

 

大切なことを見失わないようにしたいな。

 

うまく書けないけど、そんなことを考えていました。

 

赤ちゃんたちが無条件の可愛い笑顔と幸せを与えてくれるように、病気の子どもさんは、大切なものを考えさせてくれる貴重な存在。だからこそ、皆で支えたい。

 

そんなことを思いながら始まった後半、守也さんのライブ。「小さい秋見つけた」「彼こそが海賊」「アンダーザシー」演奏はバッチリなんだけど、何故か気持ちが演奏とシンクロできない。多分、、楽しい曲に気持ちが切り替わらない。

 

そこで守也さんは、予定になかったしっとり始まるオリジナル「フォトアルバム」を演奏してくれました。

 

静かなハーモニーのうつりかわり。

語りかけるようなメロディ。

フワッとたちのぼるように広がっていく後半部分。

 

会場の気持ちが、スーッとひとつになるのが目に見えるようでした。

 

悲しい病気、どうすることもできないことはたくさんある。

私の師匠の多喜靖美先生も、いま病気と闘っています。

 

でも、大切な思い出は、どんなことがあっても、

誰にも奪えない。

 

大切なことを見失わないように生きていかなきゃ。

大人になれなかった子どもたちの分も。

病気のお子さんを支えるご両親の分も。

 

「楽しい時間」を作るのは、

ピアノの先生、音楽業界、セミナー講師である

私の出番。

 

なんにもなかった、つまらない日ばかりじゃ

つまらない。

楽しかった日をつくる人になりたい。

楽しかった日をつくる人を助けたい。

 

 

 

「フォトアルバム」のあとは、楽しい曲がきてもしっくりきましたね。

「ゲンコツやまのたぬきさん」がますますブルージーでいい感じ。

 

 

 

音楽の力に、静かに打たれたコンサートでした。

細谷先生のお話、辛い話でしたが、聞いて良かった。

刺さった辛さを守也さんのピアノが溶かしてくれました。

 

 

それにしても予定になかったけど、その場に一番必要とされている曲をとっさに弾く。

プロだから当たり前?

いや、プロだからこそ、クオリティが求められるし、予定していない曲をいきなり弾くのは怖いんじゃないのかな。

聴き手の気持ちをわかっているライブアーティストってこういうのが咄嗟にできるんだな。

 

 

レ・フレール 斎藤守也の 左手のための伴奏形エチュード: 童謡アレンジで楽しく学ぶ

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ピアノソロ 斎藤守也(from レ・フレール)『MONOLOGUE』

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MONOLOGUE

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