山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

斎藤守也さん「音楽あら?カルト」FMブルー湘南

ピアニスト斎藤守也さんのラジオが7.8月に

FMブルー湘南で毎週10分間聴けました。

 

お話のあと曲を聴く、生MCみたいなスタイル。

斎藤守也さんの曲は、たくさん聴いているのですが、

それでも

お話のあとに聴くと、

不思議なくらい新鮮な気持ちで聴けました。

 

ラジオだからか、ライブよりも普段そのまま話しているナチュラルな感じで、家族とこんな話をしたとか、思い出話とか、聞いていると、

「え、そうだったんですね。私は、、」と

話を返したくなってしまうような感じ。

 

ルクセンブルクから帰国してから、人とぶつかったときに、「すみません」が出てこなくて、、みたいな話もありました。

今だからサラッと言える、昔の話。

私にもたくさんある。

 

守也さんがピアノのあるバーで、

いんちきバーテンダーをしていた頃の話も。

似合いすぎるなぁ。

私は、大人になったらバーでカクテルを飲むのが

似合うような素敵な女性になりたかったのに、

バーって行かないなぁ、、

かわりにはならないけど、

ライブハウスに出かけて開演前にワインを頼んで一息つくのが本当にホッとできる幸せな時間。

ま、それも良いか。

大人になったらカッコよくなりたいと思っていたけど

ちっともカッコよくなんてなれないな、とほろ苦い気持ちで聴いた「野暮天ブルース」。

 

 

ライブ盤を聞いた回では、聴いてから

「涙が出そうになりました、」とお話があって

こちらもそうだったから、

同じ気持ちなんだなぁと思ったり。


最終回は、横須賀のたくさんの方々や、海や山、自然に育てられてきたお話。

海の近くで育ったなんて、うらやましいな。

そう思ったら、ふと、子どもの頃の景色が浮かんできました。

 

私の実家は田んぼの真ん中にあって
夜になるとかえるの鳴きがすごくて
春に田植え前には一面が湖みたい
夏は緑色の海みたい。

秋は黄金色の波
冬は身を切るような風に飛ばされそうに

そんな通学路を毎日ランドセルしょって
歩いていた
子どもの頃の景色を。

 

あの頃、田んぼなんて当たり前で、なんとも思わなかった。

いま住んでいる街は、畑や松林があったところで

田んぼは地形的にない場所。

山が見えます。その景色は、好き。

でも、田んぼが時々見たくなる。

電車から水田が見えたりすると

「あ、田んぼだ!」と思う。

 

あんなにきれいなものだったんだ、って

今だから気づく。

当たり前すぎる日常の美しい自然に

育てられていたんだな、、、

風が吹くと、稲穂がサラサラサラ、ザーッと

音を立ててなびく、その音も、いまも耳に残っている。

私の子ども達は、山が見える景色が思い出になるのかな。

岡山育ちの母は、「ここは、山がないのよね」といつも言っていたな、、

 

そんな追憶にどこまでもひたりながら、

番組最後の

ストーリーズ収録の「一本道」を聴いたら


もとからキラキラしてる曲が

いっそうキラキラして聴こえて

不思議だった、、、

 

トークと演奏。それぞれイマジネーションを引き出すものだから、トークによって、演奏から感じるものは変わってくる。

 

音楽も、言葉も、本当に奥が深くて面白い。