山本美芽の音楽ライター日誌

アーティストの取材執筆記録です。

レ・フレール 静岡県長泉町文化センター

三島から車で7分の長泉にあるホール。ちょっと頑張って遠征?してきました。

といっても、新横浜から30分で三島に着くので、1時間ちょっとなんですよね。

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前日は福島の南相馬で吉田兄弟とのコラボコンサート、「和」だったのが、いきなり翌日ディズニー・・・なかなかの振れ幅ですね。このホールはベーゼンドルファーがあるので期待しながら来ました。

 

最初はまず、ディズニーのナンバーを続けて。

ディズニーランドメドレー、フレンド・ライク・ミー、リトルマーメイド、彼こそは海賊・・・楽しくてドラマチックな名曲の数々。あれ?と思ったのが、リロの歌。これはもともとロックビートのフィーリングが濃厚ですごく洒落てるアレンジなんですが、

 

守也さんパートと、圭土さんパートが、バンドとしてセッションしているように聴こえたんです。

 

何? この感覚。

 

いつも、ご兄弟の連弾は、ふたりで一体になっていて、相手の音と自分の音がすごく一体感がある。

 

すごく個性はあって音も違うんだけど、バンドなんかでギターとサックスの人が一緒に演奏しているのとは距離感がまったく違う。

 

そもそも距離がほとんどなく密着して演奏していて、もちろん二人で離れたり、片方が立ち上がってミュート奏法をするときも、一体感はまったく変わらなくて。

 

それが、リロの歌では、伴奏をする側、メロディを弾く側、この役割分担が、ほんとうにバンドサウンドに聴こえた。えっ?と目をこすった。

 

なんでなんだろう。吉田兄弟と演奏しているうちに間のとり方が変化したとか・・・妄想しすぎですね。ああ、そうそう、「吉田兄弟レフレール 」の Stand up に、少し似ていてる、シンプルにそういうことなのかもしれない。

 

中盤のソロは、圭土さんが「恋文」からブギウギ即興に「富士山」のメロディを入れて。守也さんは、まず「いつかの空」。なんでこの曲だったのかしら。なぜか最近、秋晴れが多くて、この曲のことを思い出すことが多くて、妙にヒット。そして「ハロウィンタウンへようこそ」。10月ですものね。2年前はバリアフリーコンサートで聴いたっけ・・・あのときも「ひええ、これ転調すさまじい」と思いつつもカッコいい曲で楽しみに聴いたのでした。やっぱり狂気じみて迫力があっていいですね。楽譜あれば弾いてみたいのだけどなぁ。

 

後半はレ・フレールのオリジナル曲。イーグル、フォーキッズ、サムライファンキー。このあたりから客席がぐっと余計な物音がしなくなって演奏に集中しているのがわかる。ステージでもご兄弟がどんどん演奏に入り込んでいるのがわかる。ミュート奏法に、しっかりとしたグルーブ、曲の世界にみなで入る、この感じが好き。

 

終盤はもりあがりコーナー。On y va!、賛歌、そしてアンコールはBoogie Back to YOKOSUKA。

 

ピアノがステージ上にぽつんとあるだけのシンプルなステージで、2人来るだけでこんなに皆を手拍子させて楽しませてしまう。音楽の力はすごい・・・というか、このご兄弟のピアノが持つすごい力に、毎回なんだか不思議な気持ちになる。